第863話
突破せよ　麦わらの一味大海戦！

スーロンと化したキャロットにより船の制御を奪われ、ダイフクの艦隊は次々と戦闘不能になっていた。サニー号に残ったナミたちも自分たちで血路を切り開こうと奮闘するが、その背後にはペロスペローとビッグ・マムが迫る。食いわずらいの発作が８時間も続くというかつてない状況に、この先どうなるのか見当もつかないペロスペローだが、プリンがケーキと共に向かっていると報せに救いの神だと喜ぶ。しかし、その船がベッジのものだと知ると一転、暗殺者であるベッジの船で運ばれたケーキなど信用できないと吐き捨てた。

移動中の船上でケーキのデコレーションを続けていたサンジだったが、ケーキに毒を仕込もうとしたベッジと対立する。ベッジから暗殺のチャンスだと言われるが、これはコックである自分のプライドをかけた勝負だとサンジも譲らない。ビッグ・マムの想像を超えるケーキを作るなど不可能だと言い放ったベッジだが、サンジに食べさせられたクリームのうまさに倒れてしまう。そして、シフォンからもお菓子の力を信じてほしいと懇願され、渋々引き下がる。そのころ、ビッグ・マムの元へプロメテウスが追いつこうとしていた。

艦隊の混乱を利用して、脱出しようとするサニー号。ブルックはキャロットの加勢をしようと海上を進み、眠り歌で兵たちを眠らせてしまう。船から船へ飛び移っては舵輪を壊し、兵たちを気絶させていくキャロット。しかし、意識が飛びそうになるのを必死にこらえていたところを魔神に襲われて窮地におちいった。だが間一髪で駆けつけたブルックに救出され、働きをねぎらわれながら、みんなの元へ戻る。キャロットはみんなのために働けたことをうれしいと喜びながら、これ以上興奮しないよう月の見えない部屋で休むのだった。

ついにビッグ・マムのもとへゼウスとプロメテウスが合流してしまった。ゼウスに飛び乗ったビッグ・マムはナポレオンに刃になるよう命じると、艦隊を置き去りにして自らサニー号へ乗り込んできた。そして、ウェディングケーキを捜そうと、無理やり船室をこじ開けて破壊していく。目の前に出現した四皇ビッグ・マムの迫力にうろたえる仲間たちに、ジンベエは最悪、船を捨てることを覚悟するよう告げる。一方、ミロワールドでカタクリとルフィの熾烈な戦いは続いていた。先を読まれ、返り討ちにあい、何度倒れようとしぶとく食い下がるルフィだったが、カタクリを前にしながら静かに目を閉じてしまう。