★今回のポイント
●『ワンピース』音楽の生みの親・田中公平さんと長年ワンピースのショーを手がけられている演出家・金谷かほりさんが夢のタッグ!
●大迫力のブラス・エンターテインメントの中身が、いち早く明らかに!
左から:東映アニメーションの柴田さん、勝平さん、田中公平さん、金谷かほりさん
勝平:今回の「ウソップの、これはホントだ!」は、この夏開催される新音楽イベント「ワンピース音宴~イーストブルー編~」の音楽を担当される田中公平さん、演出を手がける金谷かほりさんをお迎えして、イベントの全貌を解き明かしていきたいと思います。よろしくお願いします!
田中・金谷:よろしくお願いします。
新たなチャレンジです
勝平:わしら声優陣も「音宴」がすごく気になっています。まずは「音宴」というものがどういうものか、教えていただけますか?
金谷:端的に言うと『ワンピース』を題材にした、ブラス・エンターテインメントですね。ブラスバンドやマーチングバンドのパフォーマンスを知っていますか?
勝平:ああ! 何となく知ってます。
金谷:今回の「音宴」は、そのブラスバンドやマーチングバンドのパフォーマンスがヒントになって生まれたものなんです。舞台上で動けて演奏もできるブラスバンドが、田中公平さんの作った名曲を迫力たっぷりに演奏する。そこに役者さんも絡んで、麦わらの一味の名シーンを再現していくといった感じになります。実は今回の「音宴」、私にとってはすごくチャレンジなんです。
勝平:毎年ワンピースのショーや劇場版『ONE PIECE FILM GOLD』のオープニングシーンの演出を手がけるなど、百戦錬磨の金谷さんをしてもハードルが高い、新たな挑戦なんですか! 「音宴」、ホントにとてつもなくスゴそうです!
田中:今回は、ほんとにチャレンジングだよね。
勝平:田中公平先生と言えば、長きにわたってTVアニメ『ワンピース』の音楽、アニメ本編で流れる劇伴や「ウィーアー!」などの主題歌を作られてきています。今回は、それらの音楽が主役となって、ショー全編で流れるわけですね。
田中:はい。TVアニメ『ワンピース』の音楽は、オーケストラで作られているから、現在はそれをブラスバンド用にリアレンジングしている真っ最中です。
勝平:ブラスバンドと言えば、真っ先に思い出すのは甲子園ですよね。
田中:甲子園の応援でも「ウィーアー!」をもっと演奏してほしいから、楽譜を自分で作って出したりしていたら、やっと少しずつ増えてきたんです(笑)。今回の「音宴」が、もっと『ワンピース』の音楽が広まるきっかけになったらいいなと考えています。私はずっと『ワンピース』のミュージカルが世界中で上演できたらいいなと思ってたんだけど、言葉の問題があるから難しいよな…と行き詰っていて。そんなところに金谷さんから「音宴」のアイディアを聞かされて、「これなら世界中でやれるじゃないか!」と気が付いたんです。まさにコロンブスの卵ですよ。
金谷:夢は世界ですよねえ、やっぱり!
勝平:今回のタイトルには「~イーストブルー編~」というサブタイトルがついていますけど、これってやっぱり…?
田中:この先、ホールケーキアイランド編まで作りたいよねぇ!
金谷:そのためにはまず今回を成功させなければならないので、今はそれに向かって全力疾走しています(笑)。
「音宴」誕生のきっかけは?
勝平:そもそも『ワンピース音宴~イーストブルー編~』って、どうやって生まれてきたんですか?
田中:元々、私達は知り合いではあったんだよね。
金谷:そうですね。そして私がブラスバンド、マーチングバンドをベースとした『ONE PIECE』のショーのアイディアについてお話をした…という感じでしょうか。
田中:『ワンピース歌舞伎』が出てきたのが、我々の中で大きかったですね。『ワンピース』という作品を題材にして、こんな新しいものができるのか…! という驚きと、こういう新しいエンターテインメントに挑戦できるんだ、というガッツが沸き上がりました。
勝平:作品が長く続いている中で、さらに新しいアイディアがまだ出てくるということがホントにすごいと思います。
珠玉の名曲を演奏するのは26人の超絶プレイヤー達!
勝平:バンドはどんな編成になるんですか?
金谷:石川直(いしかわなおき)さんという、日本が世界に誇るドラマーを中心に、一騎当千のプロフェッショナル26人で構成されています。ほとんどの方が外国人で、舞台の上で動けて演奏ができるトッププレイヤー集団です。
勝平:それだけの人数で打楽器や金管楽器を演奏したら、パワフルですよね。さらにずっと座っているわけでなく、舞台上で動くんだから、見応えもありそうです!
金谷:バンドメンバーは、麦わらの一味を演じる俳優たちといっしょにキャストとしても活躍するんですよ!
勝平:え!? そりゃすごい! どんな風にドラマに絡んでくるんですか?
金谷:26人の演奏家たちは、コックや海賊、海兵など様々な役割を演じながら舞台を動き回り、同時に演奏します。公演中はいくつもの衣装をスピーディに着替えたり、さらには休憩時間中はロビーで演奏したりと2時間近くノンストップで動き続けるんですよ。
勝平:しかも、それを昼と夜、1日2回やるんですか…! それは超ハードですね!!
金谷:ナミの故郷のシーンでは、バンドメンバーがアーロン一味とココヤシ村の人々の二つに分かれ、その衝突を演奏で表現しながら動き回るんです。
勝平:あ、なんかイメージが見えてきた! 打楽器とか、トランペットとかのホーンセクションが音でバトルする、みたいな感じでシーンを表現していくんですね。
田中:他にもいくつか面白いシーンがあって。ゾロとミホークが対決するシーンでは、二人のマーチングパーカッショニストが一分のスキもない音の連打で、緊張感あふれる戦いを表現するんです。
勝平:目にも止まらぬ応酬、剣戟の連打を打楽器の打ち合いで表現するのか…うわー、これは見たいなー! 元々オーケストラ用に作られた劇伴を、ブラスバンド用に編曲し直しているという話が出たんですが、これは具体的にどんなところを直しているんですか?
田中:最終的にバンドのリーダーである石川直さんと金谷さんの3人で相談しながら編曲しているのですが、まずは私がデモテープをシンセサイザーで作ってお聞かせした後、実際に生音で演奏できるよう修正していくんです。オーケストラの楽曲でよく使うバイオリンパートなどは、弦で弾く楽器だから音をかなり長く伸ばせるんです。だけど、これが管楽器、吹いて音を出す楽器になると息が続かないから、伸ばすにも限度がある。そういう各楽器の特色や、持っている限界の部分を調整しながら、このバンドで一番迫力のある音作りを行う。そして、最終的には譜面の完成、演奏の割り振りを行っていくという流れになるのですが、今はその真っ最中です。これが終わったら、リハーサルに突入します。
金谷:頭の中にある見せたい絵、演出プランもミュージシャンの方たちの手が追いつかないと無理ですから「こんなモノをお客さんに見せたい、こんなことがしたいんだけど、できますか?」って相談するんですよ。毎度相当ムリなこと、これはできないかもしれないなという高度な技術が必要なことをダメ元でお願いしてみると、石川さんは「イケますよ、それ」っておっしゃるんです! その能力の高さやプロフェッショナルとしての姿勢に頭が下がるというか、驚きの連続ですね。
勝平:まさに頼もしい、の一言ですね。
勝平さん、田中さん、金谷さんありがとうございました!この続きは近日公開予定です!『ワンピース音宴~イーストブルー編~』は8月12日(日)~9月2日(日)まで、東京国際フォーラムホールCにて開催されます。チケットは好評発売中につき、お早めに!
★石川直さんの動画コメントも公開中!
★田中公平さん監修・「ウィーアー!」ブラスバージョンの音源公開中!
★公演応援サポーター・山里亮太さん(南海キャンディーズ)からのコメント動画!