TVアニメ『ONE PIECE』は現在、ワノ国編第三幕が大好評放送中!
現在放送中のエピソードではロジャー海賊団が登場! 光月おでんと遭遇し、今後の展開が注目される中、今回スペシャル座談会が実現しました! アニメに登場する少年時代のシャンクス役・島﨑信長さんとバギー役・木村昴さん、さらにルフィ役の田中真弓さんにも参加いただき、アフレコ収録時の裏話や、今後のアニメの見所をたっぷり語っていただきました!
★今回のポイント
・『ONE PIECE』のキャラを演じる喜びと緊張
・制作現場で感じる、アニメ『ONE PIECE』のすごさ
・アニメ『ONE PIECE』これからの見所
『ONE PIECE』のキャラを演じる喜びと緊張
――まずは、ご自身の役が決まった時の感想を教えてください。
木村昴(以下、木村):もう夢のようで。出演の話が来た時は「ついにきた! 夢が叶った!」と嬉しかったです。声優なら誰しもが目標とする作品ですから。
田中真弓(以下、田中):その言葉が欲しかった!(笑)
島﨑信長(以下、島﨑):僕は新人の時に海賊Bや海兵Cの脇役で出演していて、その時も嬉しかったのですが、シャンクスの少年時代役でふたたび参加させていただくことになり、ありがたくもあり光栄でもあり、不思議な気持ちでした。「ここまで来たんだな」と思うにはまだ早すぎるかなと思いつつも、とても嬉しかったです。
田中:(シャンクス役の)池田秀一さんの少年時代をやるわけじゃない? それってなんか…緊張しない?
島﨑:緊張しました! 最初は池田さんの演技を意識して踏襲しようとしましたが、僕が演じる少年シャンクスはこれから出会いや別れ、重かったり辛かったりする経験もいっぱい積んで、ようやく池田さんの演じる現在のシャンクスに至ったんだと気づきました。この時のシャンクスは未完成でたくさんの可能性を持っている発展途上な状態。少年時代のシャンクスって麦わら帽子のせいかどこかルフィの様な雰囲気も感じたりして、だから少年らしく真っ直ぐに生き生きと、楽しく頑張ってるシャンクスを演じようと思いました。
田中:バギーは〝自由な演技〟で有名な千葉繁さんだけど、その少年時代の役っていうのも大変だったんじゃない?
木村:僕は意外とビビらずに行けたんですが、シャンクスと一緒で「バギーと言えば千葉繁さん」というイメージが皆さんにもあると思うので、なるべく千葉さんっぽさを出していけたらいいなと思って、アドリブもめちゃめちゃ入れました。
田中:素晴らしい!(拍手)
木村:台本から遊べる余地を探して、「何かできることはないかな」ってしこたまアドリブを入れたらスタッフさんに「ちょっと多すぎます」って削られたりして(笑)。でもなるべく千葉さんのスピリッツを感じてもらえたらいいなと思って演じています。プレッシャーももちろんあるんですが、任せて頂けた嬉しさもあるので、その期待に応えたくて気合が入ってます。
田中:二人とも、ベストなキャスティングだったんじゃないかと思います。
――実際にお二人で収録に参加した際はどんな様子でしたか?
木村:初回の収録はバキバキに緊張してたんですけど、シャンクス(島﨑さん)と一緒に演じた時にコンビとして「いいじゃん いいじゃん!」って思えて。すごくマッチしてるんじゃないかなって感じてより収録が楽しくなりました。
島﨑:シャンクスとバギーの合わせセリフとか、二人でわちゃわちゃしてるシーンが多くて楽しいよね。
木村:楽しいですね、『ONE PIECE』って!
田中:楽しいでしょう! その現場に池田さんと千葉さんもいたら面白かったのにね。
木村&島﨑:ひやあぁぁぁ!! (笑)
木村:「おれ、こんな感じか?」なんて言われちゃいますかね(笑)。でもご本人の前で演じるって、一度でいいから経験してみたいとも思います。めちゃめちゃ緊張しますけど。
田中:いつか劇中で回想シーンを経たりしながら、少年時代と大人時代が共演する…なんてことがあったら面白いよね!
木村:それでご本人のお墨付きがもらえたら嬉しいですね。
田中:その共演はファンも喜びそう! この少年がこういう風に大人になっていったんだーって。
島﨑:それは嬉しいですね。
――キャラを演じるにあたって事前に何かされましたか?
木村:過去の千葉さんのバギーが出演しているシーンはめちゃくちゃ観ました。千葉さんの演じ方のクセとか、どこが「バギーっぽい」って思えるところなのかなとか。セリフの一番頭のところで高く裏返って出る声の感じとかを練習して、千葉さんのクセを吸収しようと思って練習しました。
田中:そうなんだ! 確かに私、一瞬「千葉ちゃん若ぶった?」って思ったもん!
木村:そう言っていただけると、めちゃくちゃ嬉しいです! ありがとうございます!
島﨑:さっきの話と重なりますが、僕はどうしても池田さんに寄せるという感じにはできなくて…! 池田さんの演技は「説得力」と「経験の年輪」だと思うんです。あの軽やかだったりどこか無邪気な中に、やっぱり説得力と経験値をすごく感じるんです。大人のシャンクスというのはとても深い男で、僕がそこから何かを汲もうとすると、「子供」からどんどん離れていってしまう気がして。
田中:あー、そうだねー。シャンクスは大人だもんね。
島﨑:声の出し方とか話し方とかも、経験に裏打ちされたものがあって。なので、僕は池田さんのお芝居をトレースするというよりは、そうじゃないところで「僕は何をしよう」って考える演じ方をしていきました。
木村:大人なシャンクスになるまでの過程の無邪気な感じだよね。そんなシャンクスとは対照的に、バギーって変わってないんですよ、この頃から(笑)。きっと「子供の頃からああだったんだろうな」って想像できたからなるべく千葉さんに近づけられた。でもシャンクスの場合は少年の頃は無邪気で無鉄砲なんだけど、ここからどんどん成長していって今のシャンクスに至ってると僕も思います。
島﨑:大人のシャンクスは最近だと真面目なシーンが多いですけど、序盤(少年ルフィとのやりとりなど)では結構そういう無邪気なシーンがあって、そんなところに少年時代の名残があるキャラなんだなっていうのを感じました。
田中:バギーは成長してないってことだね!
3人:(爆笑)
木村:シャンクスのせいで悪魔の実を食べてしまったことをずっと根に持ってますもんね。逆に言えばいまだにピュアで、腹に一物抱えてない感じというか。
田中:抱えようとしても出ちゃうからね! 思ったこと全部言っちゃうからかわいい(笑)
木村:だから、そういう「変わって無さ」を意識しましたね。
――田中さんは演じる際に特に意識されていることはありますか?
田中:『ONE PIECE』ってキャラの心情の描写がとても丁寧なの。普通だったら怒ってる絵なら怒りの感情、泣いてる絵なら悲しい感情、っていう風に感情をストレートに表現することが多いけど尾田っちの漫画って心情が絵の通りのままではないことがあると思う。例えばアラバスタでビビと別れる時に「そっか!」と言うルフィは、絵は満面の笑顔ですけど、アレは泣いてたと私は思った。そういう実際には描かれていない心情を演じる面白さは、『ONE PIECE』が初めてかもしれない。役者としてはとてもやりがいがある作品ですよ。
●制作現場で感じる、アニメ『ONE PIECE』のすごさ
木村:キャストさん達の、自身のキャラクターへの愛の深さが『ONE PIECE』の魅力の一つですよね。
田中:そう、愛があるの、本当に。声優もだけどそれ以外のアニメ制作スタッフも、『ONE PIECE』への尊敬と愛があるなーって感じる。
島﨑:すごいですよね、原作にある情報を丁寧に拾い上げてエピソード膨らませたり繋げたり、ここでこのキャラを出そうとか絡ませてみようとかを無理なく描くのは、簡単にはできないんじゃないかなと思います。どこかに違和感があったり蛇足になってしまったり。でも、僕らは今回アニメ独自のエピソードの部分も演じたんですが、「いいなあ」って思えて、原作を豊かに描いているなって感じました。愛だけでなく長年の知識や経験が無いとこんな風には作れないと思うので、すごいなと。しかもその足されたエピソードも「原作にこの話あったっけ?」って思っちゃうくらい自然なんです。
田中:尾田っちはアニメに対してもルフィみたいに素直に「すごいなぁ」って言ってて。「自分の描いたものが絶対」っていうんじゃなくて、「漫画は平面で色も無いのに、アニメは色がついて動いて音も入っていいなあ」って言ってくれて。それを聞いたらアニメーションを作る側も頑張りがいがあるもんね。「原作を大事にしながらもアニメならではのやれることを思いっきりやる」っていうのが、まさにアニメ独自で膨らませたエピソードの件にも言えるんじゃないかな。
島﨑:アニメスタッフやキャストさんが原作を裏切らないで作ってきたからこそ、尾田先生もいつも「応えてくれてありがとう」って気持ちでアニメを任せてくださってるんじゃないかなって。
田中:そうだね。だからこそ長く続いてるんだよね。信頼関係だね。
木村:これからも、もっとこの先が見たくなるような展開だらけで楽しみです!
島﨑:『ONE PIECE』はジャンプにとってひとつなぎの大秘宝ですよね。連載開始からずーっとジャンプを引っ張って、支えて、すごい作品です!!
●アニメ『ONE PIECE』これからの見所
――お二人が活躍されるおでん、ロジャーの回想編の見所を教えて下さい。
島﨑:アニメでは僕らの会話シーンを原作よりすごく膨らませていただいてます。原作だと航海中の様子のページ数は少ないんですけども、アニメではとても豊かに描かれていて嬉しいです。特に見て欲しいのは、おでんさんのアニメオリジナルのエピソードです。おでんさんが「おでん」を作ろうとするって話が面白くてツボだったので(3月21日(日)放送予定 第966話「ロジャーの願い!新たな旅立ち」)。
木村:あの話めちゃめちゃいいです。僕もおすすめしようと思ってた話でした! おでんさんが船員達に「おでん」をふるまうために食材を集めるっていうシーンなんですよ。それが超破天荒で面白いんです。
島﨑:集め方がすごいんですよね!(笑)
木村:海賊っぽく集めるんです。
島﨑:おでんさんの豪快さとか人柄とか、心の温かさがにじみ出ているんです。シャンクス達は「おでん」を知らなくて「それ何?? そんな食材使うの?」みたいな感じで。
木村:最終的に、みんなで「おでん旨い旨い!」って食べるシーンも良いんですよ~。是非アニメで見ていただきたいです!
島﨑:意見が一致しましたね!(笑) あと細かな所だと、レイリーが結構みんなのことをいちいち心配してくれてる所が僕はすごい好きです。面倒見のいい感じがね。
――今後、気になるストーリー展開などはありますか?
島﨑:まだこれから演じる場面ですが、原作でロジャー達がラフテルから帰還した後に、シャンクスがロジャーと何かを話して泣いていたシーンですね。アニメでここがどんな描写になるのかがとても気になっています。あそこで号泣した事もきっと、シャンクスが現在に至る大きな一つの出来事になっているんじゃないかなと想像しているので、これから演じるのが楽しみです!
木村:今回の回想の話は過去のいろんな場面とつながっているので、それらに戻って見比べてもらえると、より楽しめると思います! 『ONE PIECE』の世界にどっぷり浸かって深く潜ってほしいなと思いますね。
――田中さん、島﨑さん、木村さん、ありがとうございました!
TVアニメ『ONE PIECE』第966話「ロジャーの願い!新たな旅立ち」は3月21日(日)に放送!(※一部地域を除く)
物語の核心に迫る展開をどうぞお楽しみに!
『ONE PIECE』
- 放送日時:
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毎週日曜あさ9:30~
(※地域によって異なります)
- 放送局:
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フジテレビほか
- キャスト:
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モンキー・D・ルフィ … 田中真弓
ロロノア・ゾロ … 中井和哉
ナミ … 岡村明美
ウソップ … 山口勝平
サンジ … 平田広明
トニートニー・チョッパー … 大谷育江
ニコ・ロビン … 山口由里子
フランキー … 矢尾一樹
ブルック … チョー
(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション