■どのエピソードも“東の海編”は、シンプルで“太い”と思うんですよ(平田)
──サンジを最初に演じたときはどんな心境だったのでしょうか?
平田:当時の僕は、アニメにおいて知名度も経験値も低かったのですが、それに対し『ONE PIECE』が大きな作品だとはわかってたので、プレッシャーは感じていました。第20話からの登場だったのですが、アニメとしても好調で視聴者の皆さんの反響も感じていたので、とにかく緊張していました。
──演じるサンジはどのような第一印象でしたか?
平田:今までの概念を覆すようなキャラクターだと思いました。それまで演じていたキャラクターというのはクールでカッコイイ奴、ダメな奴、悪役と、僕の中でくっきり分かれていたので、カッコつけてる割に眉毛グルグル回ってるし、言葉遣いも変わってるし、一体どういうキャラなんだろう…と。難しいというより、とらえどころがなく少し不安でした。もちろん、“バラティエ編”の、海上レストランに乗り込むまでの経緯は、把握して演じました。ゼフとの関係性がわかる過去のストーリーもちゃんと理解していたのですが、それでもサンジという人間をそれほど捉えられない状態で当初は試行錯誤で収録に挑んでいました。
──2000年に最初に演じた時と、“ホールケーキアイランド編”でサンジの過去に触れられるという、情報が違う状況で演技プランを変えたりはしましたか?
平田:一切ないですね。20年やってきて、「(サンジは)本質的にはバカだ」というのはわかったので。わかってからもあえて変に足そうとはしていないです。
でも、「老けすぎ!」ってみんなに言われないように気をつけました(笑)。17年前の若い声は絶対に出ないので。ただサンジは年齢を気にせず演じられるので、自然体で演じています。そうはいっても“バラティエ”はストーリーの冒頭なので、声が若くなるように少し意識しました。逆に放送中の“ホールケーキアイランド”編では、全く意識していません。意識しないことが許されていると思います。
──今回のテレビスペシャルで、スタッフから演技に対して要求はありましたか?
平田:特にありませんでしたね。むしろ、監督の大塚(隆史)さんからアフレコ冒頭に「昔のままやってほしいんだったら、昔録音したものをそのまま使えばいい。あえて、今の気分のまま演じて欲しい」と言ってくれたことが心強かったですね。なので、年齢的な部分は少し意識して、監督のおっしゃる通り伸び伸びとやらせてもらいました。
──夏スペシャル“サンジ編”の見どころは?
平田:無人島での少年サンジとゼフのシーンかな。ゼフに恩を感じ、海に出られないサンジをゼフが後押しするエピソードに繋がる話なので、“サンジ編”の肝だと思います。そこを育ちゃん(※大谷育江さん)が素晴らしいクオリティーで少年時代のサンジを演じてくれました。サンジがゼフに最後の挨拶をするシーンは、やはり響きますよね。言葉少なで別れるシーンは、男は響くと思います。尾田っちはそういう世界を描くの上手いんだよなと改めて実感しました。
──テレビスペシャル全体の見どころは?
平田:全体通してですが、どのエピソードも“東の海編”は、シンプルで“太い”と思うんですよ。それがわかりやすくて魅力だと思います。シンプルだからこそ、ストレートにメッセージが心に突き刺さってきますよね。
──平田さんのお好きなシーンは?
平田:やっぱりナミさんの「ルフィ助けて…」は秀逸だと思います。今回のテレビスペシャルはどれも感動的なエピソードなんだけど、やっぱり女性の涙には勝てないな、と。シンプルな分だけ、心に突き刺さる部分が大きいですね。すごいエネルギーとパワーを感じて、これからどうなるんだろうというワクワク感もありますし。今はいろんな敵と戦ってお話が大きくなっているんですけど、『ONE PIECE』の始まりを初めて観る方にもワクワクする気持ちを感じ取ってほしいですね。本当に色褪せないストーリーばかりです。
平田さん、ありがとうございました!
土曜プレミアム『ONE PIECE エピソードオブ東の海(イーストブルー)~ルフィと4人の仲間の大冒険!!~』の放送まで残り2日!明日はナミ役岡村明美さんの登場です!
土曜プレミアム『ONE PIECE エピソードオブ東の海(イーストブルー)~ルフィと4人の仲間の大冒険~』
- 放送日時:
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2017年8月26日(土)21:00~23:10
- 放送局:
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フジテレビ系列
- 原作:
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尾田栄一郎 週刊「少年ジャンプ」(集英社)連載中
- 企画:
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狩野雄太(フジテレビ)、櫻田博之(東映アニメーション)
- 監督:
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大塚隆史(TVシリーズ各話演出)
- 脚本:
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中山智博(TVSP『"3D2Y"エースの死を越えて!ルフィ仲間との誓い』脚本)
- キャラクターデザイン:
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佐藤雅将(映画『FILM Z』『FILM GOLD』キャラクターデザイン&総作画監督)
- 制作協力:
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東映
- 制作:
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フジテレビ・東映アニメーション
(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション