第158回:ドラゴンスレイヤー

漫画

ドラゴンスレイヤー

〝一刀流 飛竜火焔〟は『ONE PIECE』のロングファンなら思い出深い、ゾロの技!
スリラーバーク編でゾンビのリューマとの決戦で初めて使った印象的な一刀流の技!

リューマが生きていた頃は本物の竜を斬ったと言われている。そのエピソードが『ONE PIECE』連載前、尾田先生の読み切り作品「MONSTERS」で描かれている!(気になる読者は「MONSTERS」が収録されている『WANTED! 尾田栄一郎短編集』でチェック!)
「MONSTERS」でリューマが竜を斬った時のポーズがゾロのポーズとそっくり!

そして! 今回! ゾロは侍リューマと同じ様に本物の龍を斬ろうとした! リューマの刀〝秋水〟を使えなかったのは残念だね! 閻魔の斬撃が外れてなかったらどうなってたか気になるね…あのビッグ・マムもゾロの一撃に妙なパワーを感じていた。当たっていたらゾロはリューマみたいに伝説的なドラゴンスレイヤーになっていたかも!

ところで、ゾロの技はほとんどシャレやダブルミーニングになっているのは有名な話だけど、〝飛竜火焔〟はなんだろう?

週刊少年ジャンプ 9号 第1002話
ONE PIECE 48巻(第467話)
『WANTED! 尾田栄一郎短編集』(「MONSTERS」)


ガッツだぜ!

カイドウが吹いた〝熱息(ボロブレス)〟の炎からルフィを守っているのは…『根性』??? んー、ルフィのことだからタフさだけで炎の熱さを耐えきったのかもしれない。けれど他にも何か理由があるんじゃないかと思うんだよなー。

ルフィは気付いていないなだけかもしれない! ルフィがピンチの時に使う〝レッド〟シリーズの技は爆発的な炎を放てる理由が、ここ十年間近くまだ明かされていない。ルフィと炎を結びつくうえで謎が多いのはただの偶然?? ルフィを守ってくれた兄達のエースとサボは二人とも炎を生みだす「メラメラの実」の能力者であるのも偶然? ルフィは悪魔の実、その物自体に認められている?? 兄達の思い出がルフィを守ったり、強化したりしてくれる??

週刊少年ジャンプ 9号 第1002話


華麗なる尾田先生の演出

尾田先生が第1003話で描いた新鮮な3回連続の見開き絵、圧巻だった!

バトルシーンに見開きを使うのは日本の少年漫画ではよくある演出の1つ。誰もが一度は目にしたことがありそうな例としては、決闘中に主人公の努力や根性を強調するために使われる見開き演出。またごくまれに、見開きの次のページもまたもや見開きイラスト! になることもある。けしてこれがお決まり! っていうパターンはないけど、しいてよくある流れを言うと、最初の方で〝悪〟の力を強調しておき、次のページで前のページで描かれたインパクトや事情をひっくり返すというパターン。

映画のシーンで例えると僕と同じ世代の人ならきっと馴染みのある映画『クロコダイル・ダンディー』のワンシーンが分かりやすい。突然主人公の前に現れたコワモテ犯人がナイフを取り出して「財布をだせ!」と脅してくる。それに対して主人公は冷静に大型のボウナイフを出して、「そんなのはナイフとは言わない。これをナイフと言うんだ」と逆に脅す。このような演出はよく使われています。

そして今回、尾田先生はこうした演出を読者が圧倒される展開で描いてくれた!!!

  
見開きイラストでカイドウが〝龍巻〟を使った時、世界中の読者は同時に同じことを思ったでしょう! 「ちょっ!ゾロだって同じ技出来るぞ!」と!
ちなみにその考えは完全に尾田先生に読まれているw そして、そう思っている私達の期待に応じて、次のページでまさにゾロが〝黒縄大龍巻〟を放った! 「キャー!!! ゾロ強い! ゾロカッコいい!」と、誰もが読んでいて思わず興奮しちゃったでしょう??

そしてさらに! 次のページも! なんと! 三回目の見開き!!! 
しかも主人公のルフィを際立たせる演出ではない!!!! あらためて尾田先生は敵のカイドウの圧倒的な強さを強調した!!!! こんな演出は革命的ではないかと!

見開き1回目:カイドウ超強い! ヤバい!

見開き2回目:でもゾロがもっと強い技を使った! やっぱゾロが猛獣級に強い!!!

見開き3回目:……え? う、うそだろう? カイドウが…そんなに強い??? やっべェー…

要するに3回に渡る見開きは、主人公サイドのキャラクターをかっこよく見せる為じゃなくて、敵のカイドウがいかに圧倒的な強さを誇示する為の演出だった!
カイドウは間違いなく、最強の生物!

週刊少年ジャンプ 10号 第1003話

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