第153回:地震雷火事親父

漫画

地震雷火事親父

クイーンの〝疫災弾(エイキサイトだん)〟の一つ、「氷鬼」のウイルスは短時間で感染させることができる。「氷鬼」の影響で人間の体も童話に出て来る様な鬼に変化してしまう。チョッパー曰く、鬼化した人は異常冷却された皮膚や、急激に増幅された筋力や凶暴性などの強すぎる体の変化により、命にかかわる程ダメージを受けるだろうとのこと。

要するに、一度鬼化した人は元の形に戻れるかどうか、心配…。

さて! 日本の童話や昔話に登場する鬼といえば「青鬼と赤鬼」。尾田先生は現実からインスピレーションを受けた場合は、そのモデルを『ONE PIECE』の世界へスムーズに、かつ新鮮な形でアレンジする。今回、「氷鬼」が〝青鬼〟になるのかな。その名前にはもちろん、子供の遊びである「氷鬼」も含まれるだろうけど、〝青鬼〟がいれば、〝赤鬼〟も登場することもあるんじゃないかな?

氷が青なら、赤は…炎? そして大看板のクイーンが「氷鬼」を作るなら、「炎鬼」を作ることができるのは…クイーンと肩を並べる大看板・火災のキング!?
あっ! そういえば! キングの背中にたしか、燃えつづけている炎があるよね?? 関係性はよく分からないけど、あの炎でキングは「炎鬼」を作れる!? 
それで〝火災のキング〟というワケ?

…って百獣海賊団は災害が多いよね! 〝疫災のクイーン〟が疫病を広め、〝火災のキング〟はどうにかして大火事を起こす? 〝旱害のジャック〟は…大きな鼻で大量の水を吸い込んで魚人みたいに放水できるとか?

最近カイドウの技がどんどん披露されてようやく気づいた、百獣海賊団は災害そのもの。その頂点に立つのは日本人の誰もが知ってるあのことわざ…

『地震雷火事親父』

「雷」と「炎」(の様なもの)を操る、ヤマトの「親父」。
地震はちょっとまだ分からないね! 地震と言えばグラグラの実の能力者の右にでる人はいないけど、それでもカイドウは龍の姿で半端ない〝揺れ〟を起こせそー!

尾田先生の中では、百獣海賊団が強すぎて、そのクルー自体が「生きた災害」だと表現しているのではないかと思う!

週刊少年ジャンプ 47号 第993話
週刊少年ジャンプ 46号 第992話


強すぎる〝弱小〟

漫画の世界には超人間級のキャラクター達がたくさん登場する。一方で、中には読者が同じレベルで共感出来るキャラクター達もたくさんいます。そういうキャラクターが決闘や戦いのシーンでダメージを受けた時は、読者もまるでそのキャラクターになったかのように感情移入し、本人達より何十倍も心理的に大きくダメージを受けてしまう時さえある。

麦わらの一味でいわゆる弱小トリオ(ホントは弱くないけど!)は、まさに今回フューチャーされた! 995話を初めて読んだ時には、まだ心の準備をしていなかった! 尾田せんせ~!(怒) こんな三つのシーンを一話でいきなり描いたらダメでしょう! ちっきしょー!

■チョッパー

チョッパーが感染してしまうとは思ってもみなかった! お医者さんが重病の時は、誰に頼れる!? ランブルボールを食べて、体を大きくしたら周りへの感染に少し時間をかせげそうだけど、時間はあまりないと思う! しかも鬼化した感染者達が恐ろしい姿になっているから、〝モンスター〟チョッパーが完全に鬼化してしまったら、恐ろしい力を持つことになりそう! ゾロだって危ないかも!
チョッパー! 鬼にならないで!(T^T)

■ウソップ

あっ! こちらの995話のコマ! 下の186話のコマと比較してみよう!

ふむふむ、Mr.4に野球バットで打たれた時に似ているけど、今回のヒビの方が明らかに重体。あと、面白いことに、2001年当時はウソップの唇はアウトラインが描かれていたけど、今は描かれていないね! 鼻の部分を比較すると面白いことに、2年前のウソップと比べて今のウソップの鼻のほうがは軟骨(それか本当に骨入ってる?w)が少ない! それは2年前のダメージの影響か、今回は完全に粉々にされたか、まだ不明だけどどれにしたって、痛そう。

でも今回はそのダメージより、ウソップを痛めつけたのは〝言葉〟じゃないかと思う。

ウソップのポップグリーンが、ページワン達に「つまらねェ技」と言われて、ウソップはしょんぼりしているんじゃないかと。ウソップの「銀河パチンコ」や「カブト」とは違い、新世界突入から使い始めた「黒カブト」やポップグリーンの仕組み、ギミックがあまりよく分かっていなくて、正直、個人的には昔のトリッキーな戦い方をするウソップが一番かっこよかったなー、と。これを機会にウソップはポップグリーンを強化する!? それとも全く新しい〝〇〇星〟を開発する!?
ガンバレウソップ! ページワン達にどんなことを言われても、お前が強いぞ!!!

■ナミ

うわー…、このシーンはスゴかったなー…。ナミ強いな。
995話でうるてぃに命と引き換えに「船長は海賊王になりませんと言え」と強要された時のナミのセリフ。ちょっと前のコラムで麦わらの一味が『ルフィは海賊王になる』セリフ集について書いたけど、もう、クラッカー戦のことを忘れて、コレにしとこう!(うそうそ! クラッカーファンに怒られる~! それが★初めて★ ね!)

読んでいる時思わず、すんげェ涙が出た。みんなもそうでしょうね。
あの時のナミを思い出してみてください。ルフィを騙してバギーに手渡した、あの頃のナミですよ。

もう、ナミがルフィを信頼しているのは分かった(劇場版『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』が特にそう感じさせてくれた)。でも今回はルフィを信じているかどうかのもんじゃない。ルフィに助けて貰えることを信じているかどうかは別の話。ウソップの言った通り、ナミはルフィが「海賊王にならない」と嘘付いたってバレないし、自分の命を守る為なら誰もがナミの言動を疑わない!

それでも、ナミは船長の意思を〝言葉〟で裏切ることは出来なかった。

弱虫って? いいえ、それこそが本物の強さ。彼女にとってはたった二年間だったけど、『ONE PIECE』23年間、彼女の成長を見ている読者達には分かる。

尾田先生、こんなエピソードをいきなり描きだすのはズルいです。


……もっとやって下さい(感謝)。

週刊少年ジャンプ 50号 第995話
ONE PIECE 2巻(第9話)
ONE PIECE 20巻(第186話)

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