第877話
惜別の時、プリン最後の“お願い“

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ジンベエたちの身を案じながら、ビッグ・マムのナワバリから逃れようと前進するサニー号。ペドロの死を悼むサンジを、キャロットがなぐさめた。ペドロが自分の意思でやったことで、かつてモコモ公国で救われた恩返しだと言うのだ。そう気丈に振舞っていたキャロットだったが、こらえきれず泣き出してしまう。そんなキャロットの頭をやさしくなでるサンジ。カタクリとの戦いで深手を負ったルフィも、チョッパーの治療で回復してきた。わたあめ雪が降ってきたことで、ナミはあと少しでナワバリから脱出できると確信する。

戦場と化した街から避難せず、物思いにふけるプリン。最初こそビッグ・マムに従い、サンジを騙してバカにしていたが、忌み嫌われた三つ目をサンジから褒められ、そのままの自分を認めてくれたことで頑なだった気持ちに変化が生まれた。そして、一緒にケーキ作りをするうちに、偽りでなく本心からサンジに惹かれていったのだ。別れを前に最後にひとつだけお願いがあると、本当の気持ちを込めてさよならを伝えたプリン。しかし、その記憶を切り取ったためサンジは覚えていない。プリンは別れを悲しみ、ただ泣きじゃくる。

傷ついたカタクリを手当しながら、倒れた時はうつ伏せだったのに、なぜ背をついたのかと尋ねるブリュレ。背をつけたことがないというのは嘘だと明かすカタクリに、ブリュレは鏡からのぞいていたから知っていると言い、自分たちのために完璧を演じていたのだろうと指摘した。かつて、自分の仕返しとしてブリュレが大怪我をさせられて以来、兄妹たちを守るため、いつも敵に完璧な恐怖を与えるよう振る舞っていたのだ。ルフィたちの脱出を聞いて、どこかうれしそうなカタクリに半ばあきれながらもブリュレは手当を続けた。

サニー号がナワバリから脱出したとの報せはモンドールはじめ、ビッグ・マムの子供たちに衝撃をもたらす。敵の動揺を見て、しんがりの役目を終えたと撤退を決断するジンベエ。ジェルマ66も撤退を開始した。だが、それを阻むかのようにビッグ・マムが現れる。ここが正念場だと覚悟するジンベエたち。一方、ナワバリから脱出したサニー号では、久しぶりに味わうサンジの料理にルフィたちがはしゃぐ。そのころ、東の海、海上レストランバラティエでは、海賊相手に料理を作るゼフの姿があった。まずは食べさせてから、師匠であり育ての親であるゼフの精神は、確かにサンジへと受け継がれていたのだった…

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脚本

米村正二

演出

深澤敏則

作画監督

五十内裕輔

美術

吉池隆司

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