★今回のポイントはこちら!
・『食戟のソーマ』原作担当の附田先生登場!!
・全身の血が燃えるほどの情熱を持って描かれた作品!
・附田先生も納得した、尾田栄一郎によるアドバイスとは…!?
・他にもどんどん広がる、サンジストーリー!
もう1つのスピンオフ作品が明らかに!!
前回のコラムでは、担当編集・内藤さんから4つのスピンオフマンガをご紹介いただきました。そしてスピンオフマンガはもう1つ動いているとのことで、主役は麦わらの一味のメンバー、描いたのは現在ジャンプで連載している作家さんとのことですが…!?
内藤:それでは発表しましょう!7月23日(月)発売の週刊少年ジャンプ34号に掲載されている『食戟のサンジ』です!連載中の『食戟のソーマ』の原作:附田祐斗先生、作画:佐伯俊先生コンビが描きおろしてくださった、オリジナルのコラボ作品になります。
勝平:それって、超豪華じゃないですか…! お二人とも週刊連載があって忙しいのに、よくできましたね…。
内藤:実は企画のスタートから、およそ1年がかりで掲載にこぎつけた作品なんです。そして今日は、この作品についてどうしても語りたいということで、原作の附田祐斗先生がここにいらしてくれたんですよ!
勝平:え!?本当ですか?
『食戟のソーマ』附田先生登場!!
左:附田先生 右:勝平さん
附田:失礼します!『食戟のサンジ』については語りたいことがいっぱいあるんです! というわけで、今日はよろしくお願いします。
勝平:お会いできてうれしいです! それではさっそく『食戟のサンジ』について伺っていきたいと思います。まず、この企画がスタートしたきっかけは何だったんですか?
内藤:これまでのスピンオフ作品よりも、もう一歩踏み込んだモノを作りたい、と思っていたとき、「週刊少年ジャンプ」編集部内で『食戟のサンジ』なんてどうだろう? という話をしたのが最初のきっかけですね。
左から『ONE PIECE』担当編集の内藤さん、『食戟のソーマ』担当編集の南村さん、附田先生、勝平さん
勝平:編集部発案だったんですね。附田先生には、どんな風にお話が来たんですか?
附田:ある日初代担当から突然「『食戟のサンジ』って…面白いと思わない?」って言われたんですよ。くわしく話を聞いていくうちに…エキサイトしすぎて、アタマから指先まで血が燃え盛ったんですよ! 佐伯先生も僕と同じく『ONE PIECE』が大好きで、「ぜひ描きたい」と言ってくださったので(笑)、話を進めることになりました。
そこからは、掲載予定時期を考えるともう時間は全然ないことが分かって…「もう死んでもいいや」という勢いでネームを仕上げました。最初に話を聞いたのが2017年の6月くらいなので、本当に1年越しの企画になりましたね。
南村:附田先生・佐伯先生は「週刊少年ジャンプ」本紙で連載中ですから、一番の問題はスケジュールでした。「週刊連載を続けながら同時進行でもう1つ別の作品を仕上げるなんて、さすがに無茶なのでは…」と思っていたのですが、ある日附田先生から『食戟のサンジ』のネームが上がってきたんです。まさか同時進行でここまでしていただけるなんて、本当に驚きました。それくらい、先生方もノリ気になってくれたんですね。
附田:いや、さすがに本当に大変でしたよ(笑)。でも、そこまでしてでもやりたいと思ったんです! 今でこそ同じ雑誌で連載させていただいてて、毎週目標にして頑張ってるわけですが、マンガ家になる前から『ONE PIECE』の大ファンだったんですよ。
勝平:いやー、熱いですね! ページ数はどれくらいなんですか?
附田:35ページの読み切りです。当初は31ページ読み切りにしようということで進めていたのですが、「サンジのカッコよさを描くにはこれじゃ足りない!4ページ増やそう!!」ということになり、35ページになりました。これが佐伯先生の描いたラフなんですけど、見てください!
↑ラフ段階の『食戟のサンジ』を見る勝平さん
勝平:うわ! カッコいい!! これは…平田(広明)さんが見たら感激すると思いますよ!
附田:ぼくは、これを見たサンジファンが何人かキュン死にするんじゃないかと思ってます(笑)。
附田先生も納得した、尾田栄一郎によるアドバイスとは!?
勝平:マンガの中身についてもお聞きしていきたいと思います。この作品のコンセプトは、『ONE PIECE』担当編集の内藤さんと相談しながら決められたんですか?
内藤:完全にお任せで作っていただきましたね。
附田:今回のコンセプトは、パラレルワールドではない、正史の『ONE PIECE』の料理を『食戟のソーマ』の作り方で再構築してみるというものでした。この辺りはほとんど好きに作らせていただいてます!
勝平:本編でホールケーキアイランドからワノ国に移った節目の時期に、楽しいサンジが見られるのはいいですよね。
附田:ホールケーキアイランド編でサンジのいろんな過去が明らかになって、ガラッと印象が変わりましたよね。ただ、ヴィンスモーク家のサンジだと、ぼくらの手に負えないという部分もあったので、今回はバラティエ時代のサンジの活躍を描きました。
勝平:サンジが和包丁を持っているのも珍しいですよね。いつもは牛刀とかペティナイフなのに。
附田:さすが勝平さん、お目が高い! これは『食戟のソーマ』1話目のセルフパロディなんですよ。
『食戟のサンジ』は序盤、あえてサンジの目を見せないようにしているのがこだわりです。
それと、登場する食材も見どころですね! 『ソーマ』では現実の食材しか登場させられないという縛りがあるんですが、今回はエレファント・ホンマグロをイメージして、トマホーク伊勢ロブスターという架空の食材を登場させて料理しました。食材は架空のものなんですが、調理過程はリアルです。
勝平:エレファント・ホンマグロは『ONE PIECE』の中に登場した食材ですよね。
附田:エレファント・ホンマグロって「ホン」がついていることが大切なんですよ。あれが面白いというか、尾田先生のすごいところなんです。この架空食材の設定を考えるのがメチャクチャ楽しかったですね。
勝平:尾田っちも、どこかの段階でチェックしてるわけですよね。
附田:『食戟のソーマ』の本編でもここまでは書かない、というくらいビッチリ細かく書いたプロットを尾田先生にお渡しして、見ていただきました。どれだけ直しがきても、全部直す覚悟で臨んだんですけど…いただいた修正はたった三箇所だけでした! その中でも一番納得したのは、サンジのネクタイについての指摘だったんです。サンジが料理をするとき、最初はネクタイを外す予定だったんですが「サンジだったら、料理する時はネクタイをキュッと締めます」と修正が入っていました。なるほど…と思いました。作家としての分厚さを感じましたね。
勝平:やっぱりキャラクターを一番理解している人の指摘はさすがですね!
他にもどんどん広がる、サンジストーリー!
附田:妄想レベルですが、他にもエピソードは考えてました。例えば、ルフィとウソップが船の中の食べ物をほとんど食べてしまったときに、愛しのナミさんから「サンジ君、お腹空いた!」と言われてしまう。焦ったサンジが必死で食材の調達方法や余り物の利用方法を考えて美味しい物を作る話、とかです。
勝平:あの一味なら日常的にそういうことやってそうですね(笑)。そう考えると、サンジをメインにした料理マンガのエピソードって色々考えられそうです。
附田:もしそういうエピソードを描く機会があれば、ウソップにももちろん出演していただきます! そういえば、ホールケーキアイランド編でウェディングケーキを作る流れになったときは、「先に料理メインの話を描かれちゃう!」とちょっと焦りました(笑)。
内藤:でも、尾田さんは「ジャンプには『食戟のソーマ』があるから、ケーキ作りを料理漫画のように詳細には描かない。そこは「ソーマ」の土俵だから」というようなことを打ち合わせの時に言っていたのを覚えてます。
附田:泣ける……!!
勝平:さすが尾田っち、良い心意気です…! でも、そういう意味でも今回のコラボは尾田先生にもすごく喜んでもらえているんですね。
附田:新年会でお会いしたときに、「ネーム読んだよ、ありがとう! すごく良かったよ!」と言っていただけました。
勝平:反響があれば、このコラボの「次」にも期待しちゃいますね!
サンジという人間の魅力を完璧に描き切りました!
勝平:それでは、読者の皆さんにメッセージをお願いします!
附田:サンジという人間の魅力を自分なりに全力で描き切ったと思っています。納得するまで時間をかけて作り、『ONE PIECE』ファンとしての思いも全部注ぎ込んだので、ぜひ読んでください!
話が少し変わりますが、ぼくは庵野秀明(※)さんと同じ学校の出身なんです。庵野さんは学生時代からゴジラの大ファンだったと聞いたことがあるのですが、そんな庵野さんが『シン・ゴジラ』を作られた時、「かつてあこがれた作品を自分が新たに作るって、クリエイターとしてどんな気持ちなんだろう」というのを考えながら見ていました。今回、ある意味で自分が同じ立場に立たせていただいてサンジのストーリーを描くというのは、本当に嬉しかったですし、ありがたかったです。
※…『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる脚本家・監督・プロデューサー。2016年7月に特撮映画『ゴジラ』シリーズの最新作となる『シン・ゴジラ』を発表。
勝平:どんな反響が生まれるか、わしも楽しみにしています!今日はありがとうございました!
附田:こちらこそ!お会いできてうれしかったです!!
勝平さん、附田先生、内藤さん、南村さん、ありがとうございました!
附田先生は「実は僕が中学のとき、自分のお金で初めて買ったジャンプに載っていたのが、ルフィとサンジが初めて会う「バラティエ」回でした。サンジの誕生日が語呂合わせで3月2日じゃないですか、それで元々この読切も32Pにしようと狙ったりしていて、更に僕が今年丁度32歳なんですよ! このタイミングでサンジのスピンオフ作品を描かせていただけるのは、運命だと思っています!!」と、熱く裏エピソードも語っていただきました!
そんな熱き附田祐斗先生(&佐伯俊先生)により『食戟のサンジ』は、7月23日(月)発売の週刊少年ジャンプ34号に掲載! ぜひ読んでくださいね!!
ここまで読んでくれた読者へ大プレゼント!
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