「大泉スタジオに潜入!!(シリーズディレクター編)」の巻

みんな、お待たせ!!
昨年のコラムでちらっとお伝えした、TVアニメ『ONE PIECE』制作に関係の深いスタッフのお話を聞くシリーズ企画in東映アニメーション大泉スタジオ!
今回は、シリーズディレクターの宮元宏彰さんに聞いたマル秘話をお届けするぞ~!!


勝平:ご紹介します!現シリーズディレクターの宮元宏彰さんでございます。

宮元:トップバッターです(笑)
シリーズディレクター、3代目です。360話から担当してます。

勝平:えっ!360話からって、今もう600話超えてるから…結構長い!

宮元:長いですよ(笑)6年くらいたってます。

勝平:そっかぁ~。宮元さんとは毎週接してるから、もう6年って言われてもそんなだっけ?っていうか。そんな気もするし、もっと長いでしょ!みたいな気もしますよね。
さて、まずはですね、シリーズディレクターの仕事って、どういうものなのかというのを、軽く話していただけると。

宮元:そうですねえ。「シリーズディレクターって何?」って言われると、答えが難しいんですけど。TVシリーズ全体の統括な感じですかね。
東映アニメーションのアニメ制作って、元々実写映画から来ている作り方で。うちは、各話の演出さんがその話数を責任をもってやるっていう形なんです。
でも、各話の演出さんは、それぞれ自分の話数で手一杯な部分があるので、全体的なバランスを見て「ここはこうした方がいいですよ。」みたいなことを調整しているんです。

勝平:それ、結構大変じゃないですか?
宮元さんの描く『ONE PIECE』の世界観っていうか、「こういう風にこの話を持って行きたいな」みたいなのがあるでしょ。一方で、各演出さんの中にもそれぞれの思惑があって。役者も含めて、そういう人たちを全部まとめなきゃいけない。先生みたいなもんですね!

宮元:あ、そうですよ。問題児とか居ますしね(笑)

勝平:今ね、宮元さんこっちをちらって見ましたよ!(笑)
でも、わりと自由に演じさせてもらってます。言われても、言うこと聞かないっていうのも有りますけどね(笑)

宮元:どうしてもの時は「ダメ」って言います(笑)
みんな色々とやりたいものがあって、「うーん、どうしよう」という時もあるんですけど、でもそういう時のほうが実は面白かったりするんです。

勝平:結構面白いですね。原作を読んで、台本読んで絵も見て、その照らし合わせの中でセリフをどう組み立ててくか、自分の中にも狙いがあって。それがこう、スコッと通った時はすごく嬉しいな。
…あ、そうだ。好きなキャラ聞きたいです!あ、僕に気を使わなくてもいいですよ!(笑)

宮元:個人的にこだわったのは、カリファがアワアワの実の能力を使う辺り…。けっこう胸のアップとか脚のアップとか、わざわざ特効までいれて(笑)

勝平:あぁ!サンジがツヤツヤ、トゥルントゥルンになっちゃうやつ。

宮元:そうです。カリファがサンジを誘惑する辺りで。
カリファ、いいですよね。

勝平:ふんふんふん、なるほどね~(笑)
じゃあ、ベビー5とかも好きでしょ?

宮元:あぁ、ベビー5、いいですよね。

勝平:宮元さんの好みの女性が大体わかりましたね(笑)

宮元:あとは、トムさんがすごい好きで。

勝平:あ、トムさん!
「エピソードオブメリー」の時、メリー側というかウソップ側に焦点を当てたから、フランキー側の話を結構すっとばしたじゃないですか。
あそこだけもう一回再構築して、じっくりトムさんのことを描いたり…とか思いますもんね。魅力的なキャラが多いですから。

宮元:メインじゃないキャラも、実は大事なこと言ってたりするんですよ!
トムさんが「造った船に!!!男はドンと胸をはれ!!!!」って言うじゃないですか。あれ、ちょうど自分がコンテやってる回で、自分に重ねちゃったんですよ。演出になって悩んでることもあった時に、あのセリフがあって「そうだよなあ」って。
トムさんは、自分の中で核になってる部分があるんですよね。

勝平:そっかそっか。
『ONE PIECE』読んでたら、自分の指針になるようなキャラクターって、誰かしら1人、いそうですからねえ。ルフィにとってのシャンクスみたいな!

ONE PIECE.com特別版!!

ワンピースオフィシャルメールマガジン『グランドライン通信』では、シリーズディレクターの仕事や、宮元さんの好きなキャラクターについてお届けしました!特別版では、宮元さんが担当した思い出深いエピソードを、引き続き語ってもらいます!!


勝平:宮元さんが担当していた中で思い出深いエピソードってありますか?

宮元:一番ショッキングだったのは、尾田さんに、先の話を聞いていて「エースが死ぬよ」って言われた時(笑)

勝平:あぁ~!!あの話は、僕らはひたすら見る側だったんですけど、毎回毎回キツかった…。

宮元:実は、その回のコンテを持ってきましたよ!

勝平:えっ、すごい!!
この回の絵コンテ、宮元さんなんですね!

宮元:そうですよ。この回は俺にやらしてくれ、と。

勝平:これ、「愛してくれて…」の時だ!
うわぁ!いかん!これ、もう、あぁもう、ここだけで、くる…!
あ、すごい、絵コンテの絵に力が入ってる。

宮元:普段より力入ってるでしょ!(笑)

勝平:すごい力入ってる!ちょっと泣いちゃう。うわぁ~!
特にこだわった部分ってありますか?

宮元:エースのアクセサリーの所かな。原作にないところだけど、足したんですよ。
前の話数の演出さんが、貫かれた瞬間に胸のアクセサリーを飛び散らせていたんです。
それが面白かったので、こっちでも使わせてもらって。

勝平:それ、白ひげの足元にも転がって行ったりしていて。
そういう細かい動きを付けられるのが、アニメーションの強さですね。派手に動かないときも、気持ちとか台詞を補っていく表現が出来る。

宮元:そうですね。このあたりのエースの絵は、多分いちばん気合入ってます(笑)
ここ書いてる時はかなり感極まってたと思いますよ。

勝平:では、これから先も『ONE PIECE』はずっと続いていくと思うんですけども、ドレスローザ編に掛ける意気込みとか、ありますか?

宮元:この後は、まだ出てない大情報がバンバン出てきて、かなり燃える展開だと思います!なので、そこに向けて全力でドレスローザ編を盛り上げていきたいなぁって思ってます。どう考えても原作は面白くなるんで、アニメもそれに負けないくらい頑張ります!!

勝平:うわぁ~ドキドキする!これからの展開にすごい期待しております!

貴重なお話、ありがとうございました!
まだまだTVアニメ『ONE PIECE』製作スタッフ秘話は続きますよ!

山口勝平さんに応援メッセージを送ろう! みんなからの激励や要望を大募集!!

オススメコンテンツ