「絶賛公開中!シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』の試写会に来たぞ!」の巻

??:今日は、現在公開中のシネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』の試写を観に東劇に来ました。が、実は今回の「ウソップの、これはホントだ!」は勝平ではなく、私!!

ド ン !!

田中:ルフィ役の田中真弓がお届けします!! 舞台のスーパー歌舞伎Ⅱ『 ワンピース』は2回観させていただきましたが、映画がどういった演出になっているか、とても楽しみです。

■シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』は、とにかく臨場感を重視した

田中:今回のシネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』の製作をされている松竹株式会社演劇開発企画部の松本宗大さんに、お話を伺いたいと思います。よろしくお願いします!

松本:よろしくお願いします。

田中:4時間もある舞台をどうやって2時間の映画にするんだろうと思いましたが、見所を確実に見せるテンポの良さなどは、生の舞台とはまた違った面白さがありました。TVシリーズでルフィの声を担当するものとして、舞台を観た時に「こんなに面白い作品を作られて…なんか悔しい!」と思ったんですけど、今回の映画でさらにその気持ちが強くなりました。松本さんにお伺いしたいのですが、時間を歌舞伎版から半分の2時間にしたのはなぜですか?

松本:映画化する際にルフィ役の市川猿之助さんに相談したところ、「全国の子供たちにも観てほしいから、子供が集中できる2時間以内に抑えてほしい」とおっしゃったんです。

田中:エピソードの取捨選択はどのように決まりましたか?

松本:制作陣とディレクターで相談しながら決めました。どの場面も素晴らしかったので選ぶのは一苦労でしたが、ナレーションと字幕を使い全体を上手くつなげられたと思います。

田中:今までもシネマ歌舞伎を作られてきたと思いますが、シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』を作るときにこだわった点はありますか?

松本:とにかく臨場感を重視して作りました。芝居を魅せたい作品の場合、拍手や歓声を排除してまるで映像作品のように作ることもありますが、今回は芝居小屋で観ているような臨場感を重視するため、実際の掛け声や拍手も全て残しました。
画面サイズも、通常はシネマスコープという横長のサイズなんですが、今回は劇場にいるかのように感じてもらえるよう、あえて縦長にしました。あと、2幕終盤の宙乗りのシーンで、主題歌の「TETOTE」が流れて盛り上がるところではお客様に一緒に歌っていただけるよう歌詞の字幕を付けました。「劇場にいたかったな」、もしくは「劇場にいるみたいだ」と思っていただけるように作りたかったのです。

田中:すごくわかります! 生の舞台にも劣らない臨場感でした! お客さんの拍手とかも聞こえて、まるで舞台を観ているようでした。

松本:ありがとうございます。技術的なことを言うと、今回用意したカメラの数はシネマ歌舞伎としては過去最多の24台で、それをありとあらゆる場所に置き、色々な角度から撮影しました。莫大な映像の中から厳選し、編集した渾身の作品です。音声も出演者の方にはマイクをつけず、劇場中に6~70個のマイクを仕込み、きれいな音声だけを選びました。
撮影当日に花道のそばのカメラを見たボンちゃん役の(坂東)巳之助さんが、アドリブを言うのですが、そこはぜひ注目いただきたいですね。詳しく言うと面白くなくなっちゃうので、映画館でお確かめください。

田中:あっ、あれはアドリブでしたか!? それでお客さんが笑ってたのですね。

■『ONE PIECE』の“みんなで助け合う”というテーマをよりはっきりと感じる

松本:博多座公演にうかがった際、たまたまお店で隣になった方がスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』を観に来てくださったお客様で、「1年くらいずっとふさぎこんでいた友達が、舞台を観て勇気づけられてどんどん明るくなっていった」そうなんです。それで、大阪や福岡公演にも足を運んでくださったというお話を聞いて「みんなが前向きになれるようないい作品なんだな」と改めて実感しました。

田中:『ONE PIECE』自体“みんなで助け合う”みたいなテーマがあると思うんですけど、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』ではよりそれをはっきりと感じます。いい話ですね。
最後に、今回のシネマ歌舞伎用に新しいプログラムが作られたと聞きましたが、どのような内容か少し教えていただけませんか?

松本:内容は盛りだくさんで、私が話した以上の制作秘話が載っています。出演者以外にもヘアメイクさんや美術さんといったスタッフのインタビューは特に必見です。舞台裏を知ってから、もう一度映画や舞台を観ると、必ず新しい発見ができると思いますので、ぜひ、手に取ってください!

田中:松本さん、今日はありがとうございました! 私もあと3回位観たいと思いますので、みんなもぜひ映画館に来てくれよ!!

ONE PIECE.com特別版!!

ワンピースオフィシャルメールマガジン『グランドライン通信』では、ルフィ役・田中真弓さんと『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』を製作した松竹株式会社の松本さんにお話をお伺いしました。特別版では、真弓さんに舞台のスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』を観たときの感想や、シネマ歌舞伎についてなどを聞いちゃいました!


■いいものを作ろうというみんなの想いが現れた作品

――最初に舞台のスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』を観た時の感想はどうでしたか?

田中:ただただ、すごい! と思いました。最初は、漫画のキャラクターを歌舞伎で演じるというのがどうしても想像できなくて…正直とても心配でした。しかも、(市川)猿之助さんはルフィとハンコック、シャンクスの3役と聞いてさらに「えっ!??」となりました。でも、実際に観たらルフィとハンコックの早替りは本当に見事で! 3役を演じられる醍醐味を味わわせていただきました。水を使った演出も圧巻でしたし、お芝居の規模がすごすぎてただただ圧倒されました。漫画と歌舞伎というジャンルが違うものでも、それぞれの分野でいいものを作ろうというみんなの想いが現れた作品だなと。そこにさらに、ブルック役の嘉島典俊さんやイワンコフ・センゴク・レイリー役の浅野和之さん、エース役の福士誠治さんといった新劇の舞台人が加わり、良い化学反応が起きたのかなと思います。

――『グランドライン通信』で、舞台を2回ご覧になったとおっしゃっていましたね。

田中:そうなんですよ! 1回目は、水しぶきが飛んでくるぐらい前の方の席でしたが、空を飛んでいる猿之助さんを近くで見たくて、2回目は2階席で拝見しました。至近距離だと役者さんの芝居に圧倒されて物語に引き込まれますが、2階席からだと花道や舞台全体がよく見えるので、また違う感動が生まれてくるんですよ。
映画はちょうどその両方の良さを兼ね備えているから、乱暴な言い方ですがとても“楽に”話を楽しめましたね。

――歌舞伎版でルフィを演じられた市川猿之助さんとはお会いされましたか? また、ルフィについて何かお話されたりしましたか?

田中:スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』上演前に、一度稽古場にお邪魔したことがあって、その時にお会いしました。ルフィについては特になかったかな。でも、TVアニメの冬スペシャル『ワンピース~アドベンチャー オブ ネブランディア~』(2015年12月19日放送)のアフレコで猿之助さんは敵のコーメイ役なのに、ついルフィの台詞を言ってしまっていたんですよね。それを見てすごい役に入り込んでいるんだな、と感じました。

――真弓さんが演じる際にスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』から、何か影響を受けたりしましたか?

田中:きっと尾田先生も影響を受けたであろう、ルフィのギア“4”ですね。初登場の際にちょっと歌舞伎風の言い方を取り入れて演じてみました。その次の回も歌舞伎風に「ギア~~フォ~~~ス」と言ったら、「もっと早く言ってください!」と言われてしまいましたが…(笑)

■シネマ歌舞伎の注目点はカット割りが原作に忠実なところ!!

――シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』の印象に残ったシーンを教えてください。

田中:色々ありましたが、戦闘シーンが特に印象的でした。実際の水を使った滝での殺陣や、赤犬とエースの対決などがすごかった!

――ルフィ以外で印象に残ったキャラクターはいますか?

田中:いっぱいいるから難しいですね。(坂東巳之助さん演じる)ボンちゃんは完成度が高すぎてびっくりしたし、市川右近さんの白ひげはかっこよくて圧倒的な存在感だなと思いました。面白さなら浅野和之さん演じるイワンコフですかね。あの早口と、アップにしたときの緩んだ表情の動きとか、歌舞伎とは全然違うテンポ感でとても印象的でした。

――最後に、これからシネマ歌舞伎を鑑賞予定の方へのアドバイスや見所を教えてください。

田中:そうですね。今話した所のほかにも見所がいっぱいですけど、注目していただきたいのは映画のカット割りが原作に忠実なところですかね。エースの「愛してくれて………ありがとう!!!」のシーンとか、原作とちょうど同じ画なんですよ! 映画ではアップなので役者さんの感情もストレートに伝わってきました。そこは、映画ならではかなと。あと、もし既に舞台を観たことのある人なら、映画ではサブキャラの表情や動きを追ってみるのも面白いかもしれません。

真弓さん、松本さんありがとうございました!
シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』は11月11日(金)まで(一部映画館では延長あり)大好評公開中!! 
さらに、2017年10月・11月に東京・新橋演舞場での再演も決定!

山口勝平さんに応援メッセージを送ろう! みんなからの激励や要望を大募集!!

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