ウソップの、これはホントだ!


        

「『ONE PIECE FILM GOLD』公開記念!宮元宏彰監督&脚本担当黒岩勉さんのスペシャルインタビュー!」の巻

2016/06/06

――今回の「ウソップの、これはホントだ」GOLDは、映画『ONE PIECE FILM GOLD』の公開を記念して、TVシリーズ3代目の宮元宏彰監督と『謎解きはディナーの後で』や『LIAR GAME』などを手掛けた脚本の黒岩勉さんにご登場いただきました。『FILM GOLD』の制作秘話や『ONE PIECE』に対するお二人の思いなどをたっぷりお聞きしたいと思います! よろしくお願いいたします!

左:宮元宏彰監督、右黒岩勉さん

宮元&黒岩:よろしくお願いいたします。

――最初に、今回の映画で監督、脚本に決まった時のお気持ち、エピソードなどをお聞かせください。

宮元:決まった時はすごくうれしかったですね。私は元々映画を作りたくて東映アニメーションに入社したくらいでしたから。まして『ONE PIECE』のようなビッグタイトルの監督になれるなんて、念願が叶って最高の気分でした。その分、プレッシャーもすごかったですけどね。あと、TVシリーズを6年間ずっと担当させてもらっていたんですが、映画だと別のアプローチをしなければならないと悩んだこともありました。

黒岩:映画の監督は今回が初めてですか?

宮元:はい。『ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』では助監督でした。監督をサポートする役割です。

黒岩:そのときは大変でしたか?

宮元:大変でした(笑)。

黒岩:今度詳しく聞かせてください(笑)。
僕は、元々『ONE PIECE』が好きでずっと読んでいたので、オファーがきたときにお断りする理由がなかったので受けました。ただ、心境は宮元さんと同じで、うれしい半面プレッシャーも感じました。日本を代表するコンテンツですから! 映画といったらヒットは大前提で、しかも、世界中の人も見ているので、日本のアニメってすげえなと思えるようなものを作らなきゃいけないという想いがありました。でも、それ以上にでかいことが出来るなという楽しみの方が強かったです。

――アニメーションの脚本が初めての黒岩さんに今回の映画をオファーしたのは何故ですか?

宮元:今回の映画を、単なる子供向けのアニメ作品で終わらせたくなくて、実写ドラマなどで活躍されている黒岩さんにお願いしました。アニメ慣れしていないからこその発想や新しい構成にできたらと思いました。前回、鈴木おさむさんが脚本を書いた『ONE PIECE FILM Z』も、映画作品としての完成度が高かったので、今回はよりレベルアップを目指したのですが、思った通り、今までにないアプローチの仕方がとても新鮮でしたね。

黒岩:初めてのアニメーションで、まずその自由さに感動しました。何を壊してもいいし、全長10キロの船とかも書いてOKだから(笑)。面白かったですね。

宮元:実写ではなかなかできないですもんね。

――では、今回の映画でお二人が特に力を入れたシーンや、ここは絶対見てほしいシーンはどこでしょうか?

宮元:全部!…と言いたいところですが、しいて言うならやはりオープニングを見てほしいです。敵役のテゾーロが歌っているところに、ルフィたちが入港するシーンですね。アニメーションで歌ものというのはかなり難しいんですが、チャレンジしたいと思い、シナリオ段階でそういう流れを作っていただきました。それをどうやって面白くしていくかというところで、今回いろんなアプローチを試しました。CGを駆使したり、音楽もかなり難航したんですけど、最終的にすごくかっこいい音楽が出来上がったんです。ぜひそこを見ていただきたいですね。

黒岩:僕も、かぶっちゃうんだけどオープニングです。物語として、ものすごくわかりやすい起承転結の「起」の部分になっていると思います。冒頭からエンターテインメントショーがあって、セレブが集う豪華カジノがあって、新しい場所に行ったときのワクワクドキドキを麦わらの一味と一緒に感じられると思うので、そこを楽しんでもらえたらうれしいです。『ONE PIECE』という作品は、見る人に常にワクワクドキドキを感じさせてくれるので、その期待感を、今までの映画よりさらに強調したいと思って脚本を書きました。あと、あまり『ONE PIECE』らしくないかもしれませんが、最後の部分にどんでん返しを用意したので、そこは気持ちよく見ていただけたらいいなと思います。

――カジノシーンの参考に、ラスベガス取材に行ったと伺いましたが、映画にどのように影響しましたか?

黒岩:僕は行けませんでしたが、すごかったと聞きました。

宮元:そうなんですよ! やはりやるからには本物を見ないと話にならないと思って、実際行ってみたら自分の思っていたイメージの10倍以上にすごかったです。街全体で人々を楽しませようというエンターテインメントの街だなと圧倒されました。ショーのクオリティーもすごくて、このままじゃラスベガスに勝てないと思って、観客を楽しませるためにどうすればいいだろと一生懸命考えましたね。イメージをブラッシュアップして、いろいろと盛り込んでできたのがオープニングです。

――お話を聞いて、オープニングへの期待感が非常に高まりました。以前ブルック役のチョーさんがテゾーロ役の山路さんの歌声をとても楽しみにしているとおっしゃいました。テゾーロの声は、歌声も考慮に入れて山路さんに決まったのですか?



宮元:そうですね。歌声に説得力のある人じゃないと、オープニングのショーのシーンも迫力のあるものにできないと思っていました。山路さんは元々声のイメージも合うとは思っていて、ミュージカルなどもやられているとのことで、決まりました。テゾーロの個性を出しながら歌っていただいたので、ぐっとキャラクターが引き立って、オープニングもよりいい形になったと感じました。

――今回の物語のキーマンとなるテゾーロとカリーナを演じた山路さんと満島さんの印象はいかがでしたか。

宮元:山路さんはTVシリーズではセニョール・ピンクを演じていて、感情を押さえる渋いイメージだったと思います。だけどテゾーロは、渋いというより常にギラギラしているイメージです。しかも後半になると感情がヒートアップしていき、ルフィとぶつかりあいます。アフレコ中、山路さんが今までではありえないぐらいハイテンションになり、真弓さんもそれに応じていて、終わった後に、2人ともヘロヘロでしたよ(笑)。

黒岩:本当に戦い終わった後って感じですね。

宮元:はい。アフレコの間、すさまじい戦いでした。自分も引くつもりはなかったので、もっともっと出してくださいというのをずっと注文させていただきました。お二人も全力で応えて下さったので、すごくいいシーンになったと思いますね。カリーナに関しては、役どころが難しいキャラクターなので、満島さんも最初悩んだのではと思います。いろいろやり取りをして、演じていくうちにどんどんよくなっていったんですよ。役を掴んでからのセリフはすごくぐっときて…不思議な感じでした。やっぱり天才だと思います。

――カリーナとナミの過去の話も今回の映画の見所のひとつだと思いますが、 “女子の友情”というのは『ONE PIECE』の映画ではあまりなかったと思います。それを描こうと思ったのはなぜですか?

黒岩:僕が思う『ONE PIECE』の大事な要素として、先ほど言ったワクワクドキドキ感と、感動と笑いがあると思います。もちろんそれを今回の映画に全部入れようと考えました。ただ、麦わらの一味を活躍させて、同時にオリジナルキャラとの関係をゼロから築いていって、最後に感動させるという流れを作ったら2時間の尺では収まらないと思ったんです。でも、もともと一味と過去に因縁のあった人物なら、一瞬で心を揺さぶるエピソードが作れるのではないかな、と思いこういう話になりました。

――今回の脚本は2年以上かけてできた大作と伺っていますが、最初からカジノの話にしようと思ったのですか?

宮元:最初は全然違う話でしたよ。

黒岩:話し合いを重ねるうちに、プロデューサー陣からカジノのアイデアが上がって…

宮元:確か楽しい場所にしようという話があって、なおかつ9人が活躍できる話にするのはどうかって、あーだこーだの結果カジノになりましたね。スパイものとか、みんなで一丸となってドロボーするという話も『ONE PIECE』ではあんまりなかったから、そういうアプローチでプロットを作ってみたら予想以上に面白くなりそうで…それで方向性が決まった感じです。

黒岩:あとは、みんなで話し合ってアイデアを足していきました。最初7ページだったプロットを少しずつ膨らませて脚本に近づけていった感じです。

宮元:30回位改稿しましたよね。ありがとうございました。

――長い時間をかけて作り上げた脚本ですが、特に苦労された点はありますか?

黒岩:苦労はあんまり感じませんでした。ちょっと難しかったのは…敵キャラをどうやって強くするかと、ルフィをいかに楽しく動かすかというところですかね。主人公のルフィがなかなか難しいキャラクターで…賑やかだけど自発的に何かを語るタイプじゃないので。ルフィが楽しそうにしている状況から、敵に対する怒りをどうやって持っていくのかとか、心の動きを描くことに苦労したかも。

――映画の前日談という位置づけで、7月16日(土)に放送される夏スペシャル「ワンピース ハートオブ ゴールド」の脚本も黒岩さんが担当されていますが、関連性はありつつも、まったく新しい話を作るうえで、苦労された点はありますでしょうか?

黒岩:実写映画で、何回か経験させてもらったので、このようにゴールが決まっているものに向けて、新しい物語を作ること自体苦労は感じなかったです。ただ、当たり前のことですけど、夏スペシャル自体が面白くなかったら映画への期待感が薄れてしまうので、とにかく面白いものを作ろうと思いました。

――夏スペシャルについてもう少し詳しくお聞かせ下さい。

黒岩:やはり映画と違うものにしなければならないので、プロデューサーと話し合い、コンセプトを“トレジャーハント”にしました。“ピュアゴールド”という特殊な金属をめぐって、トレジャーハンターたちが宝探しをするという、分かりやすい冒険物のお話を作りました。それで、世界中の金を集めているテゾーロが、マッド・トレジャーという史上最凶のトレジャーハンターに頼んで、ピュアゴールドを探させているという設定です。

――夏スペシャルの見所を教えて下さい。

黒岩:“トレジャーハント”がテーマで、宝物にたどり着くまで色んなワナやミッションが待ち構えています。それを、麦わらの一味がどうやって協力して乗り越えていくか、絶妙なコンビネーションをぜひ見て欲しいですね。

――ありがとうございます。話を映画に戻しますが、宮元監督にとって久しぶりの『ONE PIECE』だと思いますが、現場の雰囲気はどうでしたか?

宮元:そうですね、今TVシリーズだと麦わらの一味がバラバラになっているけど、映画で久しぶりにみんなが勢揃いして、ルフィ役の真弓さんもすごく楽しそうでした。私も久しぶりに“チームに戻ってきた”という感じでした。

――お二人にお伺いしますが、『ONE PIECE』で好きなキャラクターを教えてください。

宮元:女性キャラならCP9のカリファですね。ウォーターセブン編の演出をやっていた時で特に印象に残っているキャラクターなんです。あと、トムさんですね。セリフがすごくよくて、自分が演出で悩んでいたときに「造った船に!!! 男はドンと胸をはれ!!!!」を聞いて、自分が作ったものに自信を持っていいんだと思えるようになりました。映画だとレイズ・マックスかな。北大路欣也さんの声の説得力は半端無かったです。

黒岩:わかります。僕も映画ならレイズ・マックスが一番好きです。見た人の心に残るキャラクターになっていると思います。実は、最初は女性のキャラクターだったんですけど、尾田さんから、男らしい男性キャラがほしいと言われて、レイズ・マックスに変更しました。

宮元:尾田さんはそこがすごくて、シナリオ段階ではとにかくかっこいいイメージのキャラクターだったのに、まさかあのようなキャラクターデザインが上がってくるとは予想外でした。

黒岩:そうなんですよ! 短足でもかっこいいですよね。ギャップが面白いです。本編で好きなキャラクターをあげるなら、今はバルトロメオです。

宮元:おいしいですよね、あのキャラ(笑)。

黒岩:これだけいろんなキャラクターがいるのに、今度はこう来たかって感じですごいと思いました。主役たちに憧れているキャラクターというのはなんか斬新でした。

――先ほどキャラクターデザインの話が出たのですが、イメージなどをあらかじめ尾田先生に伝えてお願いするのですか?

宮元:ある程度、設定とこちらのイメージをまとめてから尾田さんにお願いするのですが、タナカさんだけまったく別物になりました…(笑)。

黒岩:本当に尾田さん天才ですよね(笑)。誰も想像しないところからくるというのはすごいと思います。

宮元:ほんとにそうなんですよね。しかも、濱田さんの声がばっちりマッチングしてて、すごくいいキャラになりました。

――タナカさんは、田中真弓さんでイメージしたキャラといううわさを聞きましたが…(笑)

宮元:それは聞いたことないですね。でも、もし尾田さんが真弓さんでイメージしてあのキャラクターになったとしたら、あの、もはや事件です(笑)。

――では、名前をタナカさんにした理由はありますでしょうか?

宮元:名前自体は、かっこいい名前のキャラクターが多いから、タナカさんがいたら逆に面白いんじゃないかなというノリで決まりました。

――ありがとうございます。最後の質問ですが、お二人にとって『ONE PIECE』とは?

宮元:なんだろう…「試練」だと思っていますね。今回の映画を作ってて強く思いましたが、自分の限界を無理やり突破させられるんですよね。今回も要求されたことに応えようと必死で、精一杯くらいついていきました。その結果、思っていた以上のものが出来たような気がするので、そういう意味ではすごく楽しかったです。

黒岩:僕は、「最高峰」です。自分の中で、日本で一番、最高のエンターテインメントが『ONE PIECE』だと思いますね。尾田さんは、その最高峰レベルのお話をずーっと生み出し続けているんですが、自分も、2時間分のお話だけならなんとか近いレベルまで行けるかもしれないと信じて、今回の映画に全力を尽くしました。

宮元監督、黒岩さん、ありがとうございました!
7月23日(土)公開の映画『ONE PIECE FILM GOLD』をぜひよろしくお願いします!!

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