第179回:スペース・パンク

漫画

様々な未来

ボニーの能力により老化された70歳のルフィには「ある方向の未来」とかなり面白い言葉が書かれている。SBSで時々描かれる〝あのキャラが年を取ったら?〟シリーズで尾田っちは2パターンの姿を描く。それは「うまくいった未来」の姿と「なにかあった未来」のちょっと残念な姿。89巻に掲載されたルフィの未来の姿と見比べると…。

うむ、「なにかあった未来」に近いですね。「肉!!!!」とか言っていないし。ふむふむ、ってことは1064話に描かれたルフィは本編で約51年後のルフィ……。ま、ジャナイかもしれない!

海賊王になる前の〝今〟のルフィだから51年後はそういう姿になっちゃうだけかもしれないし、一方で、海賊王になったあとのルフィが仮にボニーによって再び老化させられたら「肉!!!」と言っている「うまくいった未来」のルフィになるかもしれない。そして、もう一つの可能性をあげると、もしかしたらボニーは対象の未来の方向性を、ある程度自由にコントロール出来るのかも!?

ボニーの能力はまだ明かされていないけど、どう見ても『ONE PIECE FILM Z』に登場したアインの「モドモドの実」(触れたものの時間を12年戻す事ができる)とワノ国のくの一・しのぶの〝熟々妖艶の術〟(あらゆる物を熟れさせる)をミックスした二刀流オールマイティーバージョンみたい。ひょっとしたら、ボニーが食べた実は「モドモドの実」の上位種かもしれない。
さて、ボニーは対象の未来に影響を与えられるかの話に戻って、彼女の能力はどう見ても超人系(パラミシア)っぽい。超人系(パラミシア)の覚醒の特徴は、自分以外の物にも影響を与えることができること。ふむふむ! ってことは、ボニーが覚醒しているなら、対象の〝未来の方向性に影響を与える〟こともありえる! これからSBSで描かれた色んなキャラの未来姿が本編で現れるかも!

週刊少年ジャンプ 47号 第1064話
ONE PIECE 89巻 SBS


キャー! ベガパンク大〝月〟!

自分自身を六体の「猫(サテライト)」に分けた天才科学者ベガパンクはもしかすると尾田っちの夢を果たしているのでは! 以前、悪魔の実を食べるならどれがいいかと聞かれた尾田っちは、ロビンが食べた「ハナハナの実」だと答えていた! なぜなら、仕事がいっぱい出来るからだそう! 今回は手が増えているだけでなく、体の機能やノウハウも個々に分けているから、動きの効率は人間の6倍!

さてさて! 六体のベガパンクの名前はどこから来たのか探ってみよう!
まずは簡単な方から!「想(エジソン)」、「知(ピタゴラス)」、「暴(アトラス)」は、それぞれが担当するノウハウを想起させる歴史的人物や神の名前が由来かと思われるが、意外な共通点がある。「エジソン」、「ピタゴラス」、「アトラス」は隕石等によって月面に出来たクレーターの名前にもあること! そして「悪(リリス)」は占星術では〝ブラックムーン〟を意味する。複雑な話なのであんまり探っていかないけど、他の名作漫画やアニメに影響を与えたことがある!
次は「正(シャカ)」! お釈迦様ですね! 誕生した日、悟った日、亡くなられた日、全部、満月の夜だと言われている。

ここで問題児の「欲(ヨーク)」。英語表記がニューヨークと同じ「York」。先日『ONE PIECE FILM RED』の宣伝でニューヨークの有名な広場タイムズ・スクエアをジャックしたイベントとほぼ同じタイミングで本編に名前が出たから、それが尾田っちに影響を与えたのかな? なんと言っても「欲(よく)」がメインでしょうけど…でもなぜ、ヨーク? みんな月と関係しているのに、ヨークは月と関係してなさそう。調べた結果、月の地面に「ヨーク」というクレーターもない…。

あっ! 英語表記を少しいじってみると、「York」じゃなくて「Yolk」にもなれる。「Yolk」は卵の黄身。黄身って……月に見えるじゃんか!!! 六体の名前が初登場した1062話も偶然か、月見ハンバーガーの季節だった!

六体クリア! 残りは…〝ベガパンク〟と本体の〝ステラ〟だ!
さぁ、面白いのはこっからだよ!

2003年に東映アニメーションがユニークなアニメ作品『インターステラ5555:THE 5TORY OF THE 5ECRET 5TAR 5YSTEM』を公開しました。この作品は普通のアニメ作品と違い、当時世界中から注目を集めはじめたDJコンビ、ダフト・パンクのアルバム『Discovery』の全トラックにアニメを合わせ、一つのミュージカル調に仕上げられていた。制作は2000年から始まって、ダフト・パンクの2人は制作の様子を監修する為に何度も来日したと言われている。月イチの時期もあったらしい!
総設定・デザインを務めていたのはなんと、『銀河鉄道999』の作者・松本零士先生! そして、エンドロールを見てみると……ん!? 清水慎治さんと…櫻田博之さん!?!?
TVアニメ『ONE PIECE』かつてのプロデューサーのお2人も制作スタッフとして参加されていた! 作品の制作中にもしかして清水さん経由でダフト・パンクのことを尾田っちは知ったのかも!

作品の公開から3年後、2006年に〝ベガパンク〟というキャラクターの名前が本編に出た! さらに2年後の2008年、シャボンディ諸島でベガパンクが開発したパシフィスタ、そしてベガパンクのボディーガード・戦桃丸が登場し、同時に超新星キラーが登場した。

キラーが被っているヘルメットは演奏中にダフト・パンクの2人が被っていたヘルメットにスゴク似ている! 偶然? ベガパンクの名前が本編にまた出てきたけど、登場するのにまだずっと先の話だと気付き、ダフト・パンクから刺激を受けたものをどうしても本編で描きたかった??

そして今、シャカが被っているヘルメットはもう、キラーよりもダフトパンクっぽい! カッコいい!!! もう、名前のベガパンクはダフト・パンクに基づいていることが決定に近いですね!

あっ、そういえば、ステラは?
東映さんとダフト・パンクさんのおかげで出来上がったアニメ名作の女性の主人公の名前が……ステラ★

また次回お楽しみに!

週刊少年ジャンプ 45号 第1062話
週刊少年ジャンプ 49号 第1065話
WT100記念 尾田栄一郎描き下ろし 大海賊百景

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