TVアニメ『ONE PIECE』新オープニング(歌:V6「Super Powers」)の映像演出を手がけた、暮田公平さんへインタビュー!

新オープニングの演出にかけた想いとは…!?

今回のスタッフインタビューは、10月7日(日)から一新されたテレビアニメオープニング映像にフォーカス! 新オープニングの演出を手がけた暮田公平さんに、その見どころやオープニングの演出術について伺いました!

暮田公平氏:東映アニメーション製作本部 製作部 編成課 演出。今回のTVアニメオープニング映像の演出だけでなく、TVアニメ本編の演出も手がける。

★今回のポイント

・オープニング映像とTVアニメ本編の演出はどう違う?
・オープニング映像はどのようにして作られる?
・楽曲タイトル『Super Powers』に着想を得た演出とは?
・演出家本人が語るオープニングの見どころ!!


オープニング映像とTVアニメ本編の演出はどう違う?

――本日はよろしくお願いします! 10月7日(日)放送分から一新された、TVアニメオープニング映像について伺っていきたいと思います。

暮田:よろしくお願いします。

――暮田さんはTVアニメ本編の演出も手がけられていますが、オープニング映像とTVアニメ本編の演出では、どのような点が異なるのでしょうか。

暮田:TVアニメ『ONE PIECE』本編の演出は、原作・シナリオを各話にどうやって落とし込んでいくかが重要になります。主人公であるルフィの感情の動き・変化を拾っていくだけでなく、物語の流れに合わせた演出を考えていくんですね。たとえば淡々とした回は細やかな心理描写をどう表現するか、戦闘メインの回は激しいアクションをどう表現するかといった事に重きを置いています。

――なるほど。それに対して、オープニング映像の場合はどのような点に主眼を置かれているのでしょうか。

暮田:オープニング映像は、番組の冒頭2分30秒を使って、作品全体の雰囲気を伝えるためのもの、という位置づけで考えています。「たまたまその時間にTVをつけていた人」や、「家族が見ているけど自分は『ONE PIECE』をよく知らない人」たちに『ONE PIECE』の内容をわかりやすく見せていく、というのが基本的な考え方です。さらに、そのオープニングが放送されるシーズンの物語を少し先取りし、先の展開についても何となくほのめかして期待感を高めていくというのも不可欠ですね。

オープニング映像はどのようにして作られる?

――オープニング映像は、どのような順番で作られていくのですか?

暮田:最初に次のオープニングで使われる楽曲が届くので、これを何回も聴いて音に合わせてイメージを作っていきます。体になじむまで繰り返し聴いて、楽曲のテンポや展開にピッタリと合った絵作り、構成と演出を考えていきます。
それがまとまったら、絵コンテ制作を経て原画や動画など実際の映像を作る段階へと進みます。

――今回のオープニングテーマであるV6さんの『Super Powers』を聴いたときの第一印象を教えてください。

暮田:テンポも速く、ガンガン攻めていくというイメージの楽曲だったので、『ONE PIECE』のオープニングらしい「立ちはだかる強大な敵に挑み、前に向かって進んでいく」という映像が頭に浮かびました。仮歌を先にいただき、実際のテーマ曲を聴いたときはさらにアップテンポな曲になっていたので、『ONE PIECE』の映像によりマッチする楽曲になったのではないかと思います。また、作詞は『キン肉マン』や『ドラゴンボール』など数々のジャンプアニメの主題歌を手がけてきた森雪之丞先生です。V6さんのかっこいい楽曲としても、アニソンとしても楽しめる、非常に完成度の高い楽曲だと思いました。

――V6さんについては、どんな印象をお持ちでしたか。

V6さんは元々、出演されていたテレビ番組も大好きでよく拝見していましたし、親近感のある存在だったんです。とはいえ遠い存在ですから、今回こうやってお仕事でご一緒できるというのは何か不思議な感じがしますね。あと、今回のタイトルである『Super Powers』というキーワードを見て、思いついた演出があったんですよ!


ONE PIECE.com特別版!!

ワンピースオフィシャルメールマガジン『グランドライン通信』では10月7日(日)より一新されたTVアニメオープニングの演出・暮田公平さんにインタビュー。本編とオープニングでの演出の違いや、どのようにオープニングが生まれてくるかについて伺いました。特別版ではオープニング曲のタイトルにインスパイアされて登場した演出や、オープニングの見どころについてお聞きします!


オープニング楽曲タイトル『Super Powers』に着想を得た演出とは?

――V6さんによるオープニング楽曲『Super Powers』のタイトルからヒントを得たシーンも登場するとのことですが、それはどこですか?

暮田:『ONE PIECE』における『Super Powers』といったら…やはり悪魔の実、そして覇気ですよね。今シーズンはルフィとカタクリの対決がクライマックスに突入するのですが、その中で重要なのは、お互いの見聞色の覇気を使ったバトルです。カタクリの見聞色の覇気に対抗できるルフィの見聞色の覇気の発動を短いオープニングの映像の中に先がけて取り組んでみました。実際の本編ではどうなるのかは楽しみに待っていてください。

――ホールケーキアイランド編もいよいよ大詰めに突入しました。今回のオープニングのテーマは?

暮田:『信じて、認め合う』ということを軸にしながら考えていきました。仲間を逃がすために、ルフィが懸賞金10億超えの男・カタクリに挑む。最初はルフィを格下と軽んじていたカタクリが、戦いを通してルフィを認めていく。対するルフィも、カタクリを強敵として、男としてリスペクトする。そんな心の動きを落とし込んでいけたらなと。また、サンジもルフィが勝つと信じながらケーキ作りに全力を注ぐ、他のクルーもルフィの無事を信じてルフィが帰る場所、サニー号を守る…といった関係性も、入れ込むことができたのではないかと思います。

演出家本人が語るオープニングの見どころ!!

――ご自身が考える、新オープニングの見どころについて教えていただけますか。

暮田:これまでにお話した以外で言うと、多彩なスタッフの力を集めて作ったオープニング、と言えます。実はカタクリとのバトル、アクション部分は若手で勢いのあるアニメーターに、各キャラクターの決めカットはベテランのアニメーターにお願いしたんです。適材適所というか、それぞれが自分の持てる力を存分に発揮して最高の作品を作る。とくに『ONE PIECE』は来年でスタートしてから20年になるので、関わるスタッフも世代の幅がすごく広がってきているんです。そういったTVアニメ『ONE PIECE』ならではの特色も、生かすことができたんじゃないかと思います。

また、ルフィとカタクリ、サンジだけでなく、ジンベエやナミ、チョッパー、キャロットたちが強大な敵にどうやって立ち向かうのか…という部分も盛り込むことができました。こちらのシーンもぜひ注目してもらいたいですね。

――これだけ盛りだくさんの内容を、150秒に落とし込むのは本当に大変そうですね…!

暮田:昔はオープニングとエンディングに分かれていましたが、現在はオープニングだけになり、その分時間が伸びたので、演出のハードルが上がった部分はありますね。90秒くらいだと勢いだけで進められるんですが、そうもいかず…かと言ってストーリーを説明するには短い(笑)。

――その中でも毎回ベストを尽くされているのが、映像を見るとよくわかります!

ストーリーに合わせ、変化していく部分にもご注目ください

――最後に『ONE PIECE.com』読者、ならびにTVアニメ『ONE PIECE』のファンに向けて一言お願いします。

暮田:オープニング映像の中で現在黒くなっているキャラクターがいると思うのですが、本編の展開にあわせて明らかになっていきます。原作ファンの方はもうご存知だと思いますが(笑)、登場した暁にはぜひ『待ってました!』と思っていただけるとうれしいです!

暮田さんありがとうございました!皆さんもぜひ、新オープニングにも注目しながらTVアニメ『ONE PIECE』をチェックしてみてくださいね!!


TVアニメ『ONE PIECE』毎週日曜朝9:30~フジテレビ系列で放送中!

さらにTVer、ONE PIECE.comで見逃し配信中!新オープニングも聞けるのでチェック!

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