漫画
ミンク・イン・ザ・ケガワ:イノセンス
イヌアラシ、ネコマムシ、そして河松。幼少期の登場シーンが多かった963話で、彼らのある部分にスゴく興味が湧いた。それは目玉! 彼らの幼い頃の目と、大人になってからの目の描写が違っていることに気付きましたか? 子供の頃の目は、黒い点だけで描かれていることが多かった。子供の頃と成長した後とで、どうしてそんな相違点が生まれた? 黒目だけの時と白目も一緒に描かれるようになった時の境目はいつ? 尾田先生に聞かないと分からないけど、今回はその差について考察しよう!
まず、黒い点で描写される目は、どうして子供っぽさを感じるかというと、〝向こう見ずな行動〟をしているシーンで使われることが多く、後先どうなるかを考えていないことの表れじゃないかと。子供らしく、真っ直ぐで素直な考え方をしている時に使われる描き方だと思います。963話の前半では、子供のネコマムシが多分三ヶ所で普通の白目つきの目で描かれていたけど、それらはみな恐怖、ギャグ、それからショックを表していた。イヌアラシは前半ずーっと黒目だけ(ギャグのとこだけ真っ白くて、黒目がない)で描かれている。一方! お母さんを失うという、人生最大級につらいトラウマを経験した河松は、前半で既に5回も白目つきの普通の目で描かれていた。しかもネコマムシと違い、ギャグ、恐怖、ビックリした時等も関係無く、嬉しい時も普通の目のままで描かれていた。この黒目の描き方は偶然にも、他の大人のミンクキャラでも使われていたことがある。だから初登場シーンのペコムズやベポみたいな大人のキャラ(偶然にもミンク)からもかわいらしさを感じたのかな。
普通の目で描かれていたら、子供特有の無限に前向きな部分を感じない。そう、ある程度の人生経験や知識が増えると〝経験の目〟に変わり始める。人生の厳しさを味わい、世界の見方が変わるからそれを見る目も変わるでしょう。だからお母さんを失った河松はまだ、子供にも関わらずたまに普通の目で描かれていたんじゃないでしょうか? イヌアラシがマナーを覚え始めるシーンになって、初めて普通の目で描かれていたのもそんな理由かと。
ところで、ルフィは目の白いところが大きい割りに、黒目が子供のイヌアラシ達にそっくり! キャラクターの感情が溢れているシーンは、黒目が光を反射したり、細かく描かれたりするけど、ルフィはどんな時だってずっとあの黒い点でしか描かれていない。二重丸みたくなったり、複雑に描かれたりすることはあるけど、ルフィはずっと黒い点! 虹彩が細かく描かれたことが、今まで一度もない。この描き方はルフィの子供のような素直さを守っているのでしょうか?
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週刊少年ジャンプ 52号 第963話
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