漫画
博愛主義者
かつて『ONE PIECE』には、五老星にまつわる細か~~い謎があった。
その謎があったのは、五老星が登場した第 233話。五人がいる部屋が描かれているのだが、その中で、吹き出しに隠れて少しだけしか見えないけれど、部屋の入り口のアーチに大きく掲げられている「愛」という漢字に、目の鋭い読者なら気づいたハズ。
なぜ「愛」!?
そして書かれているのは「愛」だけなのか?
左側にも字が書かれているのかも!? …という謎が生まれた。
あれから長年にわたって、何回か五老星の部屋が描かれたけど、彼らは常に部屋の中央に集まっていてそこにフォーカスしているため、部屋の入り口が描かれる機会はあまりなかった。
しかし! 第793話で長年の謎が解けた!
左側に書かれていたのは「博」でした!
つまり入口に掲げられていたのは「博愛」の文字のようだ!
ほっほうー! 博愛ね!
海軍基地内の壁によくドーンと飾られているモットーみたいなモノですね。面白いことに海軍のモットーは背中に飾られているのに、「博愛」という言葉は五老星が座っている位置から常に目に入るところにある。“全ての判断は「博愛」の元に”みたいな感じかな?
では、その「博愛」とは本物か、見せかけか。人道的なモットーが本当に彼らの中にあるのか? 五老星と言えば、第1060話でサボを消し去るために、サボの潜伏先と見られる「ルルシア王国」を、関係のない国民も一緒に島まるごと滅ぼしてしまえるような連中なので、人情もないように見える。けれど五老星の視点に立って見える世界はどのようなものなのか、まだ何も分かっていない。だから、彼らにとっての「博愛」とは、いったいどんなことなのかは謎である。
そんな無情とも思える五老星が、20年前のオハラでの事件の中で、冷静さを欠いているように思える場面があった。
クローバー博士が〝仮説〟を唱えた際に「消せ!」と声を荒げて命令し、オハラにバスターコールを実行した際の様子と、「ルルシア王国を破壊せよ」というイムの命令を彼らが即座に採用した時とは矛盾しているように見える。何が違ったのでしょうか?
クローバー博士が若い頃は冒険家だったことが最近明らかになりましたが、彼もマリージョアにルーツがあり、五老星の知り合いだったという可能性もある!?
それとも、クローバー博士の主張する〝仮説〟で、五老星達は何かを思い出したのだろうか? 辛い現実や過去とか…?
五老星は〝世界の平和〟のギリギリなバランスを維持するために、イムの手駒として心を閉ざしてしまったのか?
彼らが思っている〝平和な世界〟を守るには、謎の支配者の気まぐれに従うこと以外に良い選択肢はないと信じているだけかもしれない!
博愛主義者か? 怪物か?
いずれその答えが分かるでしょう!
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ONE PIECE 25巻(第233話)
ONE PIECE 41巻(第395話)
ONE PIECE 79巻(第793話)
ONE PIECE 105巻(第1060話)
週刊少年ジャンプ 28号 第1086話