■麦わらの一味との出会いでガラッと人生が変わった
勝平:今回の「ウソップの、これはホントだ! GOLD」は、麦わらの一味リレーインタビュー5人目!
ナミ役の岡村明美さんをゲストにお呼びしてお話を聞いていきますよ! よろしくお願いします!
岡村:よろしくお願いします!
勝平:明美ちゃんは麦わらの一味の良心ですから、一番楽な気持ちで話が聞けると思う!(笑)
早速ですが、ナミ役は、オーディションだったんですよね?
岡村:はい。ルフィ、ゾロ、ナミの三人一組で掛け合いの形だったんですが…
私、中井さんと同じ組だったんですよ!
勝平:確かにオーディションの形式はそうでしたね。
って、なんでわしが知ってんだろうね!(笑)
明美ちゃんは元々『ONE PIECE』は読んでたんですか?
岡村:いえ、読んでいなかったんです。
それで、当日のオーディションで頂いた原稿が「助けて…」のシーンだったんですけど、会場にあったコミックスの「助けて・・・」のシーンを読んで挑んだのを覚えています。
勝平:へぇ、でも明美ちゃんがそれまでにやっていた役と似ていたから、決まった時は「よしっ!」という感じでした?
岡村:というか、ルフィ役の田中真弓さんにつっこむ、という緊張が大きかったですね!
当時は「雲の上の大先輩…!」って感じだったので…
勝平:当時は…ね!(笑)
その後はねえ…今や、明美ちゃんは一番若いのに、一味のお母さん的なポジションになっちゃったよね。(笑)
岡村:いえいえ、本当にステキな先輩方に囲まれています(笑)
勝平:明美ちゃん自身はそういうポジションだけど、一味の中でナミはどういった役回りだと思います?
岡村:突っ走る少年たちを、引き戻すわけではなく、ちゃんと導いてあげられる存在という風に捉えてます。
尾田先生は「お母さん」と「冒険」は反対の言葉だとおっしゃってたんですよね。
お母さんは子供を守りたいから、冒険を止めるじゃないですか。
ナミは、そういうのとはちょっと違って…見守りつつ、アンタ達を連れてってあげるわ!という感じかなと。最初のころはそんな風には思ってなかったんですけど、2年を経てからすごくそう思うようになりました。
勝平:なるほど~。
確かに、ナミは最初のうちルフィ達といても、ちょっと引いてる感じがありましたよね。
岡村:そうですね。
ルフィがアーロンを倒した後から、心から笑えるようになったんです。
それまでのナミと、それからのナミは、笑いひとつ取っても全然違うんですよね。
勝平:ナミはかなり大きいものを背負ってたもんね。麦わらの一味それぞれ辛いものを抱えているけど、女性陣は特にそうな気がする。
この間、ロビン役の(山口)由里子さんと話した時にも、似たような話になりましたよ。
岡村:ナミは、一味との出会いによって、本当に人生がガラッと変わった人だと思うんですよ。
助けてもらって、心から笑えるようになって、自分の夢も追えるようになって…。
仲間がその世界に導いてくれたんです。
勝平:うんうん。
■ナミは人のために頑張れる人
勝平:明美ちゃんから見た、ナミの魅力は?
岡村:犠牲心と言うか…ナミは、人のために頑張れる人なんです。
ベルメールさんから受け継いでいるものなのかもしれないですけど。そして、それを辛いと口に出すんじゃなくて、自分の中に秘めていける心の強さも持ってるなぁと思います!
勝平:うんうん、ナミって強いよね。
なので、アーロンの話が一番思い入れがあると思うんだけど…一番好きなエピソードと、好きなセリフを教えてください!(笑)
岡村:好きなところいっぱいいあるんですけど、やっぱり「助けて…」になっちゃいますね。(笑)
「助けて…」から「当たり前だ!!!!!」と船長に言って頂くところまでがセットです!
勝平:だよね~!(笑)
でも、「助けて…」に行く前の怒りの持っていき場がさ、タトゥーを消そうとするところとか内に内になんだよね。
岡村: ナミは小さい時に「助けて!!!」と言ったら、目の前でゲンさんがケガを負わされるのを見てますよね。
だから、自分が人に助けを求めてはいけないと思ってるんですよ。
勝平:ああ、ゲンさん…!
岡村:自分が助けてと言ったらその人が死んじゃう、と思ってるから言えないんです。
でも、そんなナミが「助けて」と言えるくらい、信頼できる仲間を見つけたんです。
あの言葉は、ずっと言いたくて言いたくて言いたくて、でも言えなかった言葉を、やっと出せた!というものなので、自分の中では、一番重くて、思い出深いですね。
勝平:ナミのこと語ると泣けてきちゃうなあ…。
さて、話はガラッと変わるんですが、ナミの一番好きな技はありますか?
岡村:戦闘員じゃないので、あまり技があるわけじゃないんですけど、
“サンダーボルト=テンポ”が、何度も使ってて、一番言いなれてますね。
ただ、イタズラされた思い出があって…(笑)
勝平:ああ~! 説明しますとですね…。
イタズラ好きなうちの船長が、台本の「テンポ」の「テ」の字をいじって、
縦線を突き抜けて、「チ」の字にしちゃったんですよ…。
岡村:私、一番最初にそれを思いっきり読んじゃって。(笑)
それがトラウマで、今のセリフ合ってたよね?間違ってないよね?と思いながら、いつもその技を出してます…。(笑)
勝平:(田中)真弓さんに、“サンダーボルト=テンポ”の件がトラウマになっていると言っておきましょう!(笑)
■2年後のナミはちょっと色っぽく演じた
勝平:ナミを演じる上で、心がけていることとか決め事はありますか?
岡村:私は「これはこうだ、という決め事をしない」という事を決めてます!
勝平:そうだよね。キャラクターと17年付き合っていると、だんだんそうなってくるよね。
中井君も最初の方が考えてましたって言ってた。
岡村:そうですね。最初の頃は、考えるも何も自分に余裕が全然なかったです。
スタジオではいつもドキドキしてて、アーロン編の時は胃が痛くなるほどでした。
ベルメールさん亡くなるシーンなんて、いろんなことが頭を回って、グチャグチャでしたね。今は、皆さんとのセリフの掛け合いから頂けるものが多いので、それを大事にしてますね。そうすることで、その場で、その気持ちになって、演じられるんです。17年という年月のおかげですね。
勝平:確かにね。
でも、例えばベルメールさんのシーンにしても、アーロンのシーンにしても気持ちがグチャグチャでも、それはどこかで演じているわけだから自分をコントロールしなきゃいけないわけじゃない?そういうとき、明美ちゃんは割と冷静な方ですか?
岡村:どうだろう…あまり考えてないかもしれないです。
集中しちゃうと、ゾーンに入っちゃう時があって、そうするともう一人冷静な自分がいたりする時もありますね。感情でワーッと喋ってる自分の上に、もう一人、口パクも見ながら流れを冷静にコントロールする自分がいる感覚って言うんですか…。
勝平:わかるわかる! わしもルフィとケンカしたシーンが、そうだったなあ。
リミット外してセリフ言ってるんだけど、めっさ冷静な自分が演じている自分を見ている感覚というのかな。そういう時あるよね。
ちなみに、ナミを演じるうちに、変わってきたなと感じることはありますか?
ナミ:2年経って、見た目は変わりましたね!(笑)
2年前のナミって、少女らしさも残しつつ、生意気な大人っぽい部分もありましたよね。でも今や、豊満なボディになりまして…(笑)
勝平:ゲンさん、これ見たら卒倒しちゃいますね!
岡村:ゲンさん怒りますよ。ルフィに抗議ですよ。(笑)
岡村:このあどけなさの残るナミの時期が長かったから、2年経って、監督にちょっと色っぽくしてくださいと言われたんですけど、難しくて…。
2年後の最初のウソップとの出会いだけは、私の気持ちとしては、色っぽくしました!
勝平:わしもあの時だけ、ちょっと逞しかった!(笑)
岡村:ですよね!(笑) でも、あの時だけなんですよ。
お店出たら、もう戻っちゃったかな~(笑)
勝平:結局変わってないんだよね。(笑)
ナミの髪型は、ショートとロング、どっちが好き?
岡村:私はショートですね。絶対!
この頃の、してやったり!というドヤ顔がかわいいんですよね。
この顔とかも、口を大きく開けて笑ったり!
勝平:俺もショートが好き!
ナミの役作りはどんな感じ? 自分が寄せるタイプ?
岡村:私は、自分の中の共通点を見つけていくというか…。
どちらかというと、自分にキャラを寄せているのかもしれないですね。
あとは、演じるキャラのエピソードを自分で想像して、肉付けしていったりもします。
勝平:ナミと明美ちゃんの共通点、気になる! 例えば?
岡村:ちょっと恥ずかしいんですが、人のために頑張れるところですかね…。
勝平:おお~! わかるわかる。
岡村:自分のことは二の次にして人のために頑張れるけれども、したたかには生きていきたい、みたいな。(笑)
勝平:イベントでの明美ちゃんはそうですね!
進行を見守ってくれつつ、ツッコむところはツッコんでくれるもんね!
でも、これだけの人数がいるとバランスを取ってくれる人って大事だと思うんですよ。
だから、明美ちゃんと中井くんは麦わらの一味の中で、すごくバランスをとってくれてるよね。
岡村:そう言っていただけけるとうれしいです。
中井さんはいつどんなパスを送っても、全部アタックを決めてくれる。(笑)
勝平:聞き上手、話し上手ですからね。
いや、そういう意味では明美ちゃんもですよ!
岡村:いえいえ…。
気持ちの上では、どんなアタックでも打ち返そうとは思ってるんですが。
すごいリベロになろう!って(笑)
勝平:リベロって。(笑)
打つんじゃなくて、拾いまくるほうか!(笑)
岡村:すごいアタックは打てないので、
出来る限りなんでも拾って、いいトスができたらいいなと思ってます!
■お金に縛られなくなったナミが、何を感じるのか
勝平:ここからは映画『ONE PIECE FILM GOLD』のお話を聞いていきましょうか。
『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』(2009)の時もそうだったけど、今回もナミがキーポイントになってますよね。
岡村:『STRONG WORLD』も「助けて…」なんですけど、ひとつ上に行ってますよね。
勝平:信頼感あがっての話だからね。
そこから、『ONE PIECE FILM Z』(2012)があり4年ぶりの映画なわけだけど、今回はナミの欲深さで(笑)麦わらの一味が…?!
岡村:いや、でも考えてみてくださいよ! すべてがゴールドですよ?!
いうなれば、ルフィが肉だらけの場所に行ったとか、サンジくんが美女だらけの場所に行ったのと、同じですからね。
ナミが「金」だらけのところに行ったら…もう、夢の世界ですよ!
それこそ、鼻血が出るくらいのテンションなんです!(笑)
勝平:確かに、『FILM GOLD』ってタイトル見た時、ナミの映画だな!って思った(笑)
脚本を見た時の率直な感想はどうだった?
岡村:金色金色!とたくさん書いてあって、グラン・テゾーロってどんな所なんだろう!と、すごく興奮しました。(笑)
勝平:まんまナミじゃん!(笑)
岡村:こんな所に行ったら、ナミはどうなっちゃうかな?!って想像から始まりましたね。
勝平:今回、カリーナというキャラが、ナミと深い因縁があるみたいですが…?
岡村:カリーナとの話はいろいろあります。ネタバレなのであまり言えないんですが…
ナミがカリーナと会って“ああいった”関係になれたのは、麦わらの一味という仲間がいたからだと思いますね。
あとは、故郷のみんなの命を買うためのお金集めに縛られなくなってから、お金がいっぱいある場所に来たナミは何を感じるのかな?…というのも考えました。
勝平:そうだよね。
岡村:あと、カリーナを演じる満島ひかりちゃんは、「Folder5」というグループでアニメの二代目OP曲「Believe」を歌っていたのでその時代に何度かお会いしてたわけですが…。
今度はゲスト声優として会えて、うれしかったですね。
勝平:ナミとカリーナ、収録は別々でしたよね?
岡村:そうなんですけど、ひかりちゃんが録る日を教えてもらって「来ちゃった!」って現場に行きました!
元々『ONE PIECE』をご存じだとはいえ、声優で参加するのとは違うじゃないですか。
なので、ナミはこうだけど、カリーナはこんな感じかな、とか話し合ったりして、少しでも、昔の知り合いみたいな空気感を作りたいな、と思って…。
勝平:そういう話し合う時間ができたのはいいね!
ちなみに、映画を見た感想としては?
岡村:ものすごかったです!
絵も音楽も盛りだくさんで、さらに4DXになったら、もうどうなっちゃうんだろう?!と思いました。
あとは、ゲストの方が沢山いらっしゃるんですが、クレジットでお名前を見た時に「どのキャラだったの~?!」とびっくりしました。
なんて贅沢なんでしょう。(笑)
勝平:本当に豪華ですよね!
明美ちゃんはテゾーロファミリーの中では気になるキャラいますか?
岡村:タナカさんです! 濱田さんが、すごく中性的なお声で!
岡村:あと、テゾーロに素晴らしいサービスショットがあって、敵でも脱がすんだ!というのが面白かったです。(笑)
『FILM Z』の時は、一味の男性陣にセクシーショットがありましたよね。
勝平:それは選抜メンバーだったので、ウソップは見せてないんですよ!
ウソップの禁断のボディは、いつか『ONE PIECE FILM ナガハナ伝説(仮)』の時に…!って、そんな話じゃないよね、読者が聞きたいのは。(笑)
今回の映画に話を戻して…劇場版といえば、衣装が豪華ですね!
オープニング衣装のビキニがかわいいと思います!
【オープニング衣装】
【カジノ服】
岡村:かわいいんですよ!
そういえば、オープニングで着てるこの衣装ですが、収録時は何でこんな恰好をしてるのかな?と不思議だったんです。
でも、映画の前の話にあたる、夏SPと、セブン-イレブンさんのオリジナルアニメのお話を読んで、やっと納得がいきました!(笑)
勝平:確かに! 劇中で、誰も服のことに触れてなかったもんね。(笑)
明美ちゃん的にはどの衣装が好き?
岡村:ナミの決戦服、好きですね! 上半身はわざわざ脱いでるんですよ。
勝平:…ああ! ツナギのスーツをわざわざ脱いで、腰に縛ってるんだ?!(笑)
縛る位置も…なんでウェストで縛らないの?(笑)
岡村:「えっ?」って思わせて…そのスキを突くんですよ!(笑)
頭使ってるんです。体も使ってますけど。(笑)
勝平:うまいなあ。足元もカッコいいね。あ、ヒールの裏が赤い!
岡村:見えないところのおしゃれ、大事ですよ!
■映画は多分1回じゃ物足りなくて、もっと見たいな!と感じると思います(笑)
勝平:そういえば、これ(山口)由里子さんにも聞きましたが、
麦わらの一味の中で好きなタイプの男性って誰ですか?
岡村:一番頼りに思ってるのはルフィですが…
同じ「普通の人間」としてウソップが好きですね!(笑)
勝平:おお~! でも二人っきりにさせられると、心細いというね。(笑)
勝平:(笑)
では、最後に映画『ONE PIECE FILM GOLD』を待っているファンの皆さんへ一言お願いします!
岡村:今回もすごい映画が出来ているので、ぜひ劇場で楽しんでいただきたいです!
多分1回じゃ物足りなくて、もっと見たいな!と感じると思いますので。(笑)
3D、4DXなど、色々な形で楽しんでいただければうれしいです!
テンション高いナミをお楽しみに!!
勝平:明美ちゃん、ありがとうございました!
勝平さん、岡村さんありがとうございました!
7月23日(土)公開の映画「ONE PIECE FILM GOLD」と、「ウソップの、これはホントだ! GOLD」をぜひよろしくお願いします!!