ビッグ・マムの〝威国〟が、かつて見た巨人族の技に似ていることにおどろくルフィ。ビッグ・マムから詰め寄られ、震えて許しを請うキングバームに、ナミは一緒にいたレディツリーが婚約者だと聞き出すと、彼女のためにもこの場を逃げ出して生きろとハッパをかける。そして小さなブラックボールをいくつも作り出してゼウスに向かって放った。ブラックボールを食べたゼウスは夢中になり、ビッグ・マムを振り落してしまう。このままゼウスとビッグ・マムを引き離して時間を稼ぎ、その間に誘惑の森を脱出しようというのだ。

ジェルマ王国では、ビッグ・マム海賊団の別動隊とジェルマ６６の戦いが続いていた。科学の力を見せつけ、イチジ、ニジ、ヨンジは幹部たちを圧倒する。一方、誘惑の森へ入ったキングバームは植物たちに道を開けさせ、一気に海岸への道を爆走していた。サニー号の姿が視界に入り、このまま逃げきれると安堵したのもつかの間、ブラックボールを気に入ったゼウスが、ナミにもっと食べたいと近づいてくる。ナミは自分のしもべになれば好きなだけ食べさせると甘い言葉をかけるが、その間にビッグ・マムに追いつかれてしまう。

憤怒の形相でルフィたちを足止めするよう、誘惑の森に命令するビッグ・マム。女王直々とあっては、もはやナミのビブルカードもキングバームの威光も通じなかった。それでも愛するレディツリーのため、植物たちを蹴散らし突破しようとするキングバームだが、プロメテウスににらまれ、恐怖で足がすくんで動けなくなってしまう。プロメテウスの炎に耐えかね、間一髪で飛び降りたルフィたち。なおもキングバームに逃げるよう叫んだナミだが、その声もむなしくキングバームは押しつぶされ、叫びと共に焼け落ちていった。

スィートシティではモンドールのもとに各方面から連絡が入っていた。ミロ・ワールドではブリュレにより一万の戎兵たちが出撃準備を済ませ、各島からはタルト軍艦による包囲網が敷かれ、周囲にはナワバリウミウシの警告念波が張り巡らされていた。カタクリも自らサニー号に兵を率いて待ち伏せる。一方、ベッジを追ったプリンはシフォンと対面、食いわずらいを止めるため、一緒にチョコレートシフォンケーキを作ってほしいと頼んだ。しかし自分の家族はベッジとベッツだけだと断るシフォンに、ビッグ・マムを止めるのは家族や国のためではなく、サンジたちのためなのだと、プリンは大粒の涙を流して訴える。