ウソップの、これはホントだ!


        

「夏スペシャルDVD&Blu-ray発売決定!放送後だから話せるとっておきのエピソードを大塚監督から聞き出したぞ」の巻

2017/08/30

勝平:今回の「ウソップの、これはホントだ!」は、早くも映像ソフト化が決定した『ONE PIECE エピソードオブ東の海(イーストブルー)~ルフィと4人の仲間の大冒険!!~』(夏SP)について、前回に引き続き大塚隆史監督に深掘りしたぞ!

左:山口勝平さん 右:大塚隆史さん

■盛りだくさんの内容を2時間に凝縮!

勝平:『ONE PIECE』原作100話分(グランドライン突入まで)という膨大な量のエピソードを2時間に収めるために、どのような工夫をされたんですか?

大塚:2時間という時間の中で変化をつけるため、5人分のエピソードをオムニバス形式にして、それぞれ別の作画監督に担当してもらいました。また、シナリオを書く際、メインのキャラクターに関係のある部分は絶対に外さないように意識しました。例えば原作のウソップ編では、仲間を大事にしないキャプテン・クロに対してルフィが怒るシーンがありますが、今回はあえて描きませんでした。ルフィとクロの信念がぶつかり合うカッコいいシーンではありますが、ウソップの活躍ではないからです。その分、ウソップの魅力が伝わるシーンにはしっかりと時間を使いました。

勝平:ワシもアフレコをしていて、どこにお話の焦点を当てているのかがすごく明確になっていると感じました。見てくださった皆さんも、同じように感じたと思います。

大塚:ストーリーをなぞるダイジェストにならないよう気をつけました。それぞれのエピソードを見たとき、『ONE PIECE』を知らない人でも世界観やキャラクターを好きになってもらえるように、魅力を引き出したつもりです。
同じ理由で、ナレーションもできるだけ使わないようにしました。原作と同じ部分では使っていますが、今回の夏SPのための「まとめのナレーション」は一切使っていません。

■当時とも現在とも違う新しいルフィ達!

勝平:キャラクターデザインを担当された佐藤雅将さんのデザインは現行の原作にかなり近いと思うのですが、今回の夏SPは原作初期のエピソードですよね。初期の絵が好きな人も現在の絵が好きな人もいると思うので、デザインを決めるのは難しかったのではないですか?

大塚:そこは、佐藤さんが絶妙のバランスで仕上げてくれました。基本的には現在の原作に近いデザインなんですが、現在の麦わらの一味とも、当時(東の海編)の彼らともまた違うんです。このバランスが素晴らしいと思うんですよね。

勝平:たしかに、今回のデザインは現在の原作ほどがっしりとはしていないですが、当時よりはたくましく見えますね。新しいルフィたちになっていると思います。

大塚:当時と現在のバランスと言えば、夏SPのアフレコの時に、僕はキャストさん達に「昔のテレビシリーズの芝居に似せる必要はない」と伝えたんです。

勝平:そうでしたね。その指示のおかげで、とても演技しやすくなりました。

大塚:もちろん昔の芝居も好きなんですけど、それでは面白くないと思ったんです。アニメ開始から18年も経っているので、作品とともに歩んできたキャストの皆さんには、現在の力を十分に発揮していただくのが一番良いと考えました。

勝平:まあ、昔のとおりにと言われてもできないんですけど(笑)。演技に関して言うなら、ミホーク対ゾロ(中井和哉さん)は特にカッコよかったですよね。収録の様子を隣の部屋で見ていて、「クソ!負けてらんねーな!」と思いました。

大塚:あの対決シーンは、原作のカッコよさをいかにアニメで表現するか、非常に難しかったです。特にゾロが奥義「三千世界」を使うシーンは一瞬なので、チャンバラ的なカッコよさはありません。何度も修正を繰り返して納得のいくものを作りました。

■ルフィ編のラストシーンにかけた想い

大塚:テレビシリーズでは、ラストの「近海の主」(シャンクスの腕を奪った海王類)をルフィが倒すシーンは描かれていなかったんです。

勝平:そうか、テレビシリーズだとルフィとシャンクスのエピソードは回想シーンだから、そこまで描かれなかったんですね。

大塚:そうなんです。実は、19歳の頃から「ルフィVS近海の主のシーンをいつか描いてやる!」と思っていたんです。なので、今回の夏SPではオープニング曲をバックにあのシーンを描けて感無量でした。

勝平:あのシーンの裏にはそんな熱い想いがあったんですね!見逃してしまった人も、ぜひDVDで観てほしいです。

ONE PIECE.com特別版!!

ワンピースオフィシャルメールマガジン『グランドライン通信』では、2017年8月26日(土)に放映された夏スペシャル『ONE PIECE エピソードオブ東の海~ルフィと4人の仲間の大冒険~』(夏SP)の大塚隆史監督にインタビューをしました。今回の特別版では、テレビシリーズ初代監督の宇田鋼之介さんに話をお伺いしました!勝平さんと共に、宇田さんは初期の頃から長年『ONE PIECE』に携わってきており、今回の夏SPでは…!?当時のエピソードも含め、よりディープに掘り下げます!

■放送開始当初の『ONE PIECE』総監督が夏SPウソップ編の絵コンテ担当に!

勝平:テレビシリーズ初代監督の宇田鋼之介さんが来てくれました。今回の夏SPでも、ウソップ編の絵コンテを担当している方です。よろしくお願いします。

宇田:よろしくお願いします。

左:山口勝平さん 右:宇田鋼之介さん

勝平:宇田さんはテレビシリーズではいつまで監督として携わっていたんですか?

宇田:ウォーターセブン編の途中までです。CP9が正体を現した回(アニメの放送は2006年頃)までが、僕の担当です。

勝平:もう10年以上も前の話になるんですね…。そんな宇田さんが、今回の夏SPではウソップ編の絵コンテを担当されました。どういった経緯で担当されたんですか?

宇田:大塚監督から、ウソップ編の絵コンテをお願いしたいと指名がありました。

勝平:今回は一度過去に作ったものをリセットして再度作るという作業になりましたが、苦労した点はありますか?

宇田:テレビシリーズの制作からはかなり時間が経っているので、自然にリセットして作れたと思います。むしろ初めて作る感覚に近かったかもしれません。それでもスムーズに進められたので、一度昔に携わったことが大きかったのだと思います。レイアウトはかなり考え直しましたけどね。

勝平:当時と変えていない箇所もありましたよね?ウソップ編冒頭の「海賊だー!」とウソップが走ってくるシーンはとても懐かしかったです。以前と同じ演出を狙ってくれたのかと思っていました。

宇田:その辺りは、大塚監督の修正にも助けられているかもしれません(笑)。

■乱暴な作品に見えてしまうのは嫌だったんです(宇田)

宇田:今回担当したウソップ編は、テレビシリーズで放映された当時、初めて制作の方向転換を考えたエピソードなんです。

勝平:どういうことですか?

宇田:『ONE PIECE』は海賊マンガですが、乱暴な作品に見えてしまうのは嫌だったんです。そこで放映開始当時は、血をできるだけ見せず、残虐なシーンもなるべく控えていました。

勝平:確かにそうでしたね。バギー編の出血の演出も控えめでした。

宇田:ところが、普通の人間であるウソップが頑張る姿を見せるには、血を出さないとむしろウソっぽく見えてしまい、ウソップの心意気が視聴者に伝わらない…と考えました。そこで、ウソップ編では血を見せる方向に転換したんです。もちろん、監督や作家には「演出のためだけにキャラに血を出させるのは絶対にやめるように」「血を流させるならしっかり意味を考えてほしい」と強く言いました。

勝平:監督は、血を流すこと1つにしても色々考えなければいけないんですね。

宇田:気を使ってはいましたが、今考えると当時の他の作品よりも過激だったかもしれません。自分で描いていて「うわぁ、痛そう」とよく思っていました(笑)。

■「普通」だからこそリアルに感じられるウソップ

勝平:夏SPで気に入っているシーンはありますか?

宇田:村に向かう坂道でクロネコ海賊団と戦って、ケガで動けなくなりながらも「あいつら(カヤやウソップ海賊団の3人)は俺が守る!!!」とキャプテン・クロに言い切るシーンです。当時から一番好きなキャラはウソップで、それは今でも変わっていません。一味の中で、ウソップだけは「普通」なのに、すごく頑張っている。「普通」の彼にとっては絶望しかないような状況でも、まったく諦めないところが好きです。

勝平:アニメ初期の頃は、ワシ自身もウソップの演じ方について悩んでいたんです。今までに演じたことのないタイプで、原作を読んでもなかなかイメージが湧かなくて。でも、気がつくとウソップが他のどの役よりも自由度が高くなっていました。

宇田:なるほど。ウソップは「普通」の人間だからキャラの振り幅が大きいし、頑張っている姿がリアルに感じられるんだと思います。

勝平:今回の夏SPでは、悩んでいた当時を思い出しながら初心に帰ることができました。「ウソップってこういう子なんだ」と、自分で演じながら改めて楽しめましたね。多分、他のみんなもそれぞれのエピソードを初めて演じていた当時は、役作りに悩んでいたんじゃないかな。

宇田:特に(ゾロ役の)中井君は、当時アニメキャラよりもナレーションが多かったから悩んでいたように見えました。でも、その分5人の中で一番成長したのも中井君だと思いますね。「おれはもう!!二度と敗けねェから!!」と叫ぶセリフ、放送前は僕も楽しみにしていましたが、ファンの皆さんも同じ気持ちだったと思います。

■夏SPの制作を終えて

宇田:『ONE PIECE』のはじまりを知らない視聴者も多くなってきていると思います。今回の夏SPで、麦わらの一味の結成エピソードを純粋に楽しんでもらえたら良いですね。放送を楽しんでくれた人も見逃してしまった人も、DVDやBlu-rayで見ていただければと思います。
実は『ワンピース時代劇』(※不定期に放送されているテレビスペシャルの1つ)も今回の夏SPと同じ意図で作ったんですよ。あるお子さんから「ルフィは何で腕が伸びるの」と聞かれたことをきっかけに「ルフィ達が信頼を深めていく姿を時代劇で見せてあげたい」と思ったんです。

勝平:なるほど、そんな意図があったんですね!

宇田:同じ理由で、テレビシリーズで麦わらの一味が記憶をなくすオリジナルエピソードを作ったこともあります。一味の人間関係を一度リセットして、もう一度仲間になっていく過程を見せたかったんです。実は何回かチャレンジしているんですよ(笑)。

勝平:ワシは時代劇のお話大好きでした。チョッパーマン(アニメ内で放送された番外編)も好きです(笑)。またそういったパロディ企画もやりたいですよね。

勝平さん、大塚さん、宇田さん、ありがとうございました。
『ONE PIECE エピソードオブ東の海~ルフィと4人の仲間の大冒険~』を収録したDVD&Blu-rayは、11月24日(金)発売予定。このインタビューを読んでから観れば、さらに新しい発見があるかもしれません!

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