4月9日(日)よりアニメ『ワンピース』“ホールケーキアイランド編”スタート!監督をはじめアニメ制作スタッフに見どころをインタビュー!!

■今回の物語の核は、ルフィとサンジの青春物語(深澤)

――“ホールケーキアイランド編”で一番大事にしているポイントを教えてください。

深澤:四皇の“ビッグ・マム”海賊団やジェルマ66の登場などで、新しい人間関係が発生し、ストーリー展開もかなり複雑になってきています。その中でも、“ルフィがサンジを連れ戻す”という核がありまして、観ている人に常にそこを意識してもらえるように気を付けています。ポスターも、その辺を意識したので、今までの楽しい雰囲気と少し毛色の違った感じにしました。

吉池:ルフィとサンジがメインでね。

深澤:そうです。ポスターには、新キャラもいますが、誰がメインかすぐわかるような構図にしました。
原作を読んで、これって青春物語だなと思ったんですよ。
いつもは強い絆で結ばれている、仲間である麦わらの一味が、素直になれずぶつかりあったりケンカしたり、涙を流したり、ルフィの一途な思いがあったり。
そのぶつかり合いの中心にいるのが、ルフィとサンジなので、ポスターもその二人をメインにしています。

(左より 深澤さん(監督)、市川さん(総作画監督)、吉池さん(美術デザイン))

深澤:これまではキャラクターデザイン兼総作画監督は久田さんだったのですが、ホールケーキアイランド編からは、久田さんがキャラクターデザイン、総作画監督を市川さんに分けてお任せする体制をとっていきます。これまで以上に戦力を強化することが出来ました!
市川さんは大事にされたポイントありますか?

市川:僕は「キャラらしく描く」ことを大事にしています。
実は、総作画監督として『ワンピース』に参加したのは、一昨年の「ONE PIECE エピソード オブ サボ」と、去年の「ONE PIECE 〜ハートオブ ゴールド〜」だけで、それ以前はテレビシリーズの数本をお手伝いするという感じでした。なので、新参者として勉強しつつ、いかにサンジをサンジらしく、カッコよく、そしてカッコ悪く描いてあげられるかに全力を注いでいます。

吉池:僕は仕事の性質上、「“ホールケーキアイランド編”だからこうする」という意識はあまりありませんでした。原作を読んで“ホールケーキアイランドらしい”デザインは割とすぐ思い浮かぶと思うんですよ。むしろ、演出による変化をどうつけるか、ということの方が大事だと思っています。
例えば、ホールケーキアイランド周辺は甘いイメージなので、空をピンク色にすることになったとします。ただし、一年続いたら果たしてどうなのか?とか、ルフィたちが怒った時にピンクの空はどうなんだろう?とか、そういったことも考えなくてはいけません。
それに関しては、これから苦労しそうだなぁと思います。

設定画の一部を公開!

■天然でかわいいキャロットが面白い(吉池)

――“ホールケーキアイランド編”で、一番お気に入りのキャラクターを教えてください。

深澤:いっぱいいて選べないんですけど、しいて言えば最近のお気に入りはナミさんですね。新キャラじゃないんですけど。

吉池:初耳だね。前のインタビューの時は動物キャラしか言わなかったのに(笑)。

深澤:そうでしたっけ(笑)。今回のナミさんは一味違うというか…“ホールケーキアイランド編”のヒロインだと僕は思っているので、思い入れがあるのかもしれません。あと、ビッグ・マムも好きです。ドレスローザであれだけルフィたちを苦しめた最凶最悪だったドフラミンゴでさえ七武海だったので、それを超える四皇の存在をどう出そうかという、ある意味苦しませてくれる存在でもあります(笑)。

吉池:そういえばこの前、歌の収録がありましたよね。

深澤:そうなんです。そこで声優さんにキャラの声を作ってもらったんですが、それを聞いて、「この人ちょっとやばいな」と思いました(笑)。お菓子のために国を滅ぼすような狂気を普段からはらんでいるキャラクターだとその時実感しました。

小山(プロデューサー):ビッグ・マムの歌録りはすさまじかったですね。

深澤:最初の頃は(演技が)硬かったんですが、マムは地獄のお茶会が楽しみでしょうがないので楽しんじゃっている演技をくださいって話したら、だんだん激しいお芝居になってきました。こちらの予想よりさらに上に行くようなものができました。

市川:僕は、ジェルマ66を描くのが楽しみです。某星座の戦士の作品で、今まで似たような雰囲気の絵を描いてきたので…(笑)、自分の中で積み重ねてきたものを活かせればいいなと思っています。

吉池:僕はキャロットですね。天然でかわいくて、面白いなと思っています(笑)。「おれを“チョッパーの兄貴”って呼べ!!」というセリフに対して、予想の斜め上を行った返しが秀逸でした(笑)。

市川:あの二人のやり取りは和みますよね。ああいった癒しキャラがいないと、物語の緩急もバランス取れないですもんね。

吉池:あと、キャラが謎という面では僕もビッグ・マムが好きです。お菓子のために国を滅ぼしちゃう、子供のような邪心のなさだからこそ四皇なのかなと。野心家のドフラミンゴとの格の違いがはっきりと感じられるのがすごいと思いました。
マムのバックボーンとかも謎ですけど、『ワンピース』という世界の中でどういった役割を負っているのかが楽しみです。今後の物語を盛り上げていくには欠かせない存在でしょうしね。

小山(プロデューサー):ちなみに、僕の一番はサンジですけど、ペドロも好きですね。

深澤:小山プロデューサーまたまた登場です(笑)。

小山:これだけはどうしても言いたくて(笑)。三木(眞一郎)さんのペドロが、まず、とにかくカッコいいんですよ。さらに、真面目すぎるが故の面白さというか、そういったお芝居も細かいところで挟んでくださって、まだ僕らが掴めていない「ペドロって実はこうなのかもしれない」という部分を、三木さんのお芝居を通して、教えてもらった気がします。

深澤:僕も同感です。三木さんのペドロは本当に真面目でカッコよくて…でも、真面目になりすぎないよう僕はペドロを面白くいじろうと努力しています(笑)。
最初のアフレコの緊張感から徐々に麦わらの一味のキャストに引きずられて行って、芝居とキャラがいい意味で広がっていくのが非常に面白い感じでした。

小山:あと、やはり“ホールケーキアイランド編”のメイン、サンジは外せません。
この“ホールケーキアイランド編”は、元をたどればサンジがミンク族や大事な人たちを守るため、自ら敵について行ったところから始まったじゃないですか。彼の自己犠牲に近い“優しさ”がすごく強調されている物語になっていると思います。その優しさがエピソードにどんな影響をもたらすのかも見どころです。

市川:それ、わかります。これからの展開で、サンジの色んな面が見られるシーンが出て来るので、僕も描き手側としてウズウズしています。

吉池:平田広明さんも久しぶりでしょ? どういうやり取りをしました?

深澤:ホールケーキアイランドでの出番がそろそろだから、漫画読んで役作らないとな、とおっしゃっていました。アフレコの時も相当気合が入ってて、「力入りすぎですよ~」ってツッコまれたり、ツッコまれなかったり(笑)。

小山:でも、サンジも敵陣に一人でいるわけだから、その気合がまたいい塩梅になったんじゃないかと思います(笑)。

■今までにないサンジの魅力を見てもらいたい(市川)

――特に力を入れているシーンやこれから注目してほしいシーンを教えてください。

深澤:さっきも言いいましたが、ビッグ・マムが歌うシーンかな。

吉池:僕は、このポスターのようにルフィとサンジが対決するシーンですかね。まさに今、我々がここに向かって走っている真っ最中なのでぜひ注目してほしいです。市川さんは?

市川:僕も同じですね。今までになかったサンジの魅力をぜひ見てもらいたいです。あとはプリンちゃんをいかにかわいく魅力的に見せるか奮闘中です(笑)。

■『ワンピース』の物語はいまから「四皇編」に突入する(深澤)

深澤:今回、ホールケーキアイランド編のインタビューということですが、実は、『ワンピース』全体の物語でいくと、ルフィたちはここから「四皇編」に突入していくことになります。確か昨年の「週刊少年ジャンプ」18号だったと思うのですが、表紙に「四皇編 開幕」と大きく書いてあったんです。
その時に集英社さんと、「四皇編 開幕」についてと、今後のストーリーを共有させていただきました。そこで「ルフィ達はこれからホールケーキアイランド編でビッグ・マムを相手にし、そして来るワノ国編では地上最強の男・四皇カイドウと直接対峙していくことになる予定なので、これから「四皇編」です!がんばっていきましょう!」と言われました。
ずっと遠い存在だった、四皇達とついに激突していく、とんでもないパワフルでアツい展開にこれからどんどんなっていくと、我々も聞いています!
僕達もいち読者として、今後の展開を楽しみにしつつ、ホールケーキアイランド編から始まる「四皇編」を、全力で盛り上げていきたいと思います!

『ONE PIECE』

放送日時:

毎週日曜 午前9時30分~10時

放送局:

フジテレビ系列

キャスト:

モンキー・D・ルフィ … 田中真弓
ロロノア・ゾロ … 中井和哉
ナミ … 岡村明美
ウソップ … 山口勝平
サンジ … 平田広明
トニートニー・チョッパー … 大谷育江
ニコ・ロビン … 山口由里子
フランキー … 矢尾一樹
ブルック … チョー

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