第836話
マムの秘密 巨人の島と小さな怪物

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幼子のように大粒の涙を流し、マザー・カルメルに訴えかけるビッグ・マム。それは63年前の話。まだ子供だったマム、シャーロット・リンリンは、並み外れた大きな体と力を持っていた。しかし、無邪気にその力をふるった結果、周囲に被害を与えた罪で国外追放となってしまう。そして自分たちの手に負えないと思った両親により、巨人族の戦士たちが暮らす島エルバフへ置き去りにされる。その後、マザーに引き取られ、同じように身よりのない子供たちと暮らすことになり、自分と同じ大きな体を持つ巨人族を初めて目にした。

100年前、世界中から怖れられた『巨兵海賊団』の二人の船長、ドリーとブロギーが行方不明となる、その残党が海軍に捕えられ、処刑されようとしたそのとき、止めるよう訴え出たのがシスター・カルメルだった。そして、処刑を行えばいずれエルバフの戦士たちが復讐に訪れる、罪人は自分が導くと必死に訴える。さらに、あらゆる種族が手を取り合い、笑いあえる世界を作るという考えで種族や身分を問わず、身よりのない子供たちを引き取る施設、羊の家を作り、いつしか聖母マザー・カルメルと呼ばれるようになったのだった。

熊を一撃で死なせてしまったリンリンの力におどろくマザーだったが、叱らずにあるがままを受け入れる。そして、自分と違う種族の子を捕まえ、親切心から矯正しようとするリンリンを止め、それぞれの個性や特徴があることを教え、怯える子供たちにもリンリンを受け入れるよう諭した。やがてエルバフの戦士もリンリンを受け入れる。その中にはエニエス・ロビーでルフィたちに力を貸すオイモとカーシ―、ドレスローザでルフィと出会い、麦わら大船団の一員となるハイルディンが巨兵海賊団の再興を夢見て修行に励んでいた。

冬至祭が近づき、その前に行う12日間の断食前に備え、甘いお菓子のセムラを食べるのだと教えられ目を輝かせるリンリン。そして、長老であるヨルルたちに招かれ、村でセムラを一口食べると、その美味しさに無我夢中になってしまう。やがて、断食が始まり、マザーに励まされながらみんなと一緒に空腹を我慢するリンリンだったが、セムラのことで頭がいっぱいになってしまった。ある夜、耐え切れずにセムラを求め、巨人族の村を破壊するリンリン。ゲルズの報せで村へ急いだマザーは、恐るべき光景を目にする。最長老の一人であるヨルルはリンリンを悪神と呼び、剣を振り下ろすところだったのだ。

詳細情報

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脚本

冨岡淳広

演出

中島豊

作画監督

出口としお

美術

白石美穂

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